音楽界の至宝を支援することで、世界の音楽は生き続ける

 数多くの聴衆の心を揺さぶったこのMETオーケストラのアジアツアーのように、ロレックスが芸術文化を支えるきっかけとなったのは1976年にニュージーランドのソプラノ歌手、デイム・キリ・テ・カナワとパートナーシップを結んだことに始まる。

 ロレックスの哲学を共有し、支援しているアーティストたちなどを“テスティモニー”と称しており、デイム・キリ・テ・カナワは芸術分野において初の“ロレックス テスティモニー”となった。

 彼女のようなレジェンド的な存在だけでなく、若手の歌手や音楽家とも、ロレックスはパートナーシップを結んでいる。

 例えば2008年からテスティモニーを務めているベネズエラ出身のロサンゼルス・フィルハーモニック音楽監督・指揮者であるグスターボ・ドゥダメルや、METオーケストラのヤニック・ネゼ=セガンなど、それぞれの分野で唯一無二の存在となるべく、努力を積み重ねてきたトップのアーティストたちと永続的なパートナーシップを築いてきた。

 そしてアーティストたちがその才能を十分に発揮できるように、メトロポリタン歌劇場、ミラノのスカラ座、ロンドンのロイヤルオペラハウス、パリのオペラ座という世界的な4つのオペラハウスと、2つのクラシック界の至宝とも呼ばれているザルツブルク音楽祭とウィーンフィルハーモニー管弦楽団といった一流の機関、オーケストラ、コンサートやイベントもパートナーとしてロレックスは支援している。

 さらに2002年に創設された「ロレックス メントー&プロジェ アート・イニシアチヴ」では、才能のある若手のアーティストを舞踊、映画、文学、音楽、舞台芸術、視覚芸術、建築、オープンカテゴリーの各芸術分野で活躍している第一人者と結びつけて、最短でも6週間という時間を共に過ごし、一対一の創造的なコラボレーションの時間を提供することで、芸術的な遺産を次世代が継承する機会を作っている。若手のアーティストが、未来の新たな可能性を見出すことを促す試みでもある。

 ロレックスのオイスターウォッチには「永続」を意味する「Perpetual(パーペチュアル)」という文字が記されており、この言葉はロレックスのビジョンと価値観を体現する創立者のハンス・ウイルスドルフの哲学に因る。ロレックスは常にこの言葉を胸に刻みながら、芸術文化の次世代への継承に尽力している。

2024.07.29(月)
文=山下シオン