中国の春秋戦国時代を舞台に、天下の大将軍を目指す少年の生き様を描く大人気マンガ『キングダム』。シリーズ第4弾となる映画『キングダム 大将軍の帰還』が公開中だ。
前作『キングダム 運命の炎』で、趙国の総大将・龐煖(ほうけん)としてサプライズ出演した吉川晃司さん(58)。今作では秦国随一の大将軍・王騎(おうき、演:大沢たかお)とついに対峙する。因縁の対決をどう演じたのか。(全2回の1回目/続きを読む)
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龐煖役オファーに「なるほど、そうだなと頷けました(笑)」
──原作の『キングダム』は累計1億部を超える人気作です。どんな印象をお持ちでしたか?
吉川晃司(以下、吉川) 以前から中国古代史が好きで、とりわけ春秋戦国時代に強い関心を持っていたので、その時代を舞台にしたマンガが日本で高い人気を誇っていることに、大きな喜びを感じていました。
有名な『三国志』には、魏・呉・蜀の史実として3世紀にまとめられた『三国志』と、明(みん)代に一般の人にも読みやすく物語としてまとめられた『三国志演義』の2種類があります。『三国志演義』がまとめているものには、春秋戦国時代のエピソードも多いのですが、国も君主も多くてややこしい。マンガや映画で話題になるのは嬉しいです。
──龐煖役のオファーを受けて、どう感じましたか?
吉川 改めて原作と脚本を読んでみると、龐煖は王騎らほかの将軍たちと違う次元にいるんですよね。良くも悪くも、僕自身が「個」であることを意識してきた人間なので、すごく腑に落ちやすいというか、役に入りやすいと思いました。
うちの事務所に『キングダム』にめちゃくちゃ詳しいスタッフがいるんですけど、正式にオファーをいただく前に「もし出るんだったら龐煖役しかありませんよ」と力説していたんですよ。なるほど、そうだなと頷けました(笑)。
「これ、ホントに俺が一人で振り回せるのか?」
──『キングダム』といえば、アクションの見せ場が多い作品としても知られています。カラダの大きな龐煖のアクションは大変だったのでは。
2024.07.24(水)
文=相澤 洋美