6月26日、27日に行った東京ドーム公演で、9万人を熱狂させた5人組ガールズグループのNewJeans。デビューから1年11か月という、海外アーティストによる東京ドーム公演実施の最速記録を打ち立てた。
日本でこれだけの熱狂を巻き起こしている理由とは、一体何なのか。日本デビュー曲から感じ取れる“日本の音楽シーン”とは? 韓国の大衆音楽評論家ファン・ソノプ氏が読み解く。(全2回の前編/つづきを読む)
翻訳=金敬哲
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NewJeansがついに日本デビューを果たした。日本デビューシングルの「Supernatural」はオリコンデイリーチャート1位を記録し、6月26日と27日に東京ドームで行われたファンミーティングは、9万人以上を動員する大盛況をみせた。
韓国では「数多くのK-POPアーティストの中でも独自の領域を構築している」とも評価されている NewJeansだが、日本ではどんな魅力をもって、これだけ短期間のアピールに成功しているのだろうか?
日本デビュー曲「Supernatural」から見えるものは…
■日本のカルチャーが積極的に反映されている
日本デビューアルバム「Supernatural」は日本で発売されたにもかかわらず、歌詞には韓国語と英語の割合が多い。市場地域を変えたとしてもNewJeansが特別に何か変えるということはなく、これまで通りに活動していくという意味なのだろう。
その上で、表題曲である「Supernatural」が発表後すぐに「90年代のSMAPを思い出す」とも話題になっていたが、随所に多くの日本人アーティストの雰囲気を感じる。
まず目立つのは、佐野元春の「VISITORS」、久保田利伸の「Such a Funky Thang!」やMISIAの「Mother Father Brother Sister」などにみられる、ニュージャックスウィング(明快なビートと重めのベースラインが特徴の、80年代~90年代にアメリカで誕生し世界で流行した音楽ジャンル)特有のリズミカルさだ。聴衆に親しみをもたらすと同時に、80~90年代の風景を思い起こさせる。
2024.07.23(火)
文=ファン・ソノプ、金 敬哲