5月25日~26日、天皇皇后両陛下は「全国植樹祭」の式典などに出席されるため、岡山県を訪問された。雅子さまのファッションからは、お召し物の新鮮さとともに、公務への前向きなお気持ちが伝わってきた。

 たとえば、式典でお召しになっていた淡いグリーンのスタンドカラージャケットには、チャイニーズノット(チャイナボタン)風のデザインを取り入れられていた。おそらく新しく仕立てられたものではないだろうか。また、岡山入りされた日のライトブルーのテーラードジャケットとパンツスーツ姿は爽やかで、遊び心のあるデザインのネックレスをアクセントとして首元に取り入れられていた。

愛子さまは「職員」として会場入り

 こうした雅子さまのご様子には、愛子さまのご成長とご活躍ぶりが影響しているのかもしれないと思う。5月15日、日本赤十字社の全国大会が明治神宮会館で行われ、日本赤十字社の名誉総裁を務める雅子さまが出席された。この日、両陛下の長女・愛子さま(22)は、日本赤十字社の職員として参加された。4月に日赤へ入社された愛子さまは、青少年・ボランティア課で勤務されている。皇居から出勤し、職員のお一人として会場入りされたのだ。

 愛子さまが雅子さまのお出ましになる公務に職員として携わられたのは初めてのこと。愛子さまはネイビーのベーシックなスーツに白いシャツをお召しになり、スタッフ用の赤いストラップを身に着けておられたという。

 

 この日の雅子さまはホワイトとネイビーのコントラストが美しいテーラードカラージャケットに、同系色のお帽子を合わせられていた。「全国赤十字大会」は雅子さまが大切になさっている公務で、2018年5月の大会では、病気療養に入られた2003年以来、15年ぶりのお出ましが実現した。当時、名誉副総裁として壇上に立たれた雅子さまはシンプルな紺色のスーツ姿だった。

 皇后陛下となられてからは、今回のようなホワイトとネイビーのバイカラーのコーディネートや、ホワイトオンリーのお召し物で出席されている。中心的な役割を担う名誉総裁として、どこから見てもぱっと目にとまるホワイトを基調としたスーツは、外務省時代のシャープな雅子さまのスタイルを彷彿とさせる。

2024.06.16(日)
文=佐藤あさ子