1998年に日本の女性誌ではじめて「猫」を特集し、パイオニアだったCREAが、終わらない猫ブームが続くいま、12年ぶりに、猫と人との幸せな関係を紐解きます。
「CREA」2024年夏号の「猫のいる毎日は。」特集。その一部を抜粋し、掲載します。
CREA 2024年夏号
『猫のいる毎日は。』
定価980円
猫好きならずとも、その名を聞けば誰もがわかる、あの「猫」。
そこに込められた思いを知ればもっと好きになる、有名な猫キャラクターの誕生秘話に迫ります。
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◆クロネコヤマトの「猫」
![クロネコヤマトのロゴ。左上は2021年にネコマークを刷新した際に誕生した「アドバンスマーク」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/c/-/img_6cb705b0b08998fce93d74482bd0548a41825.jpg)
完成当時のロゴは「まかせてあんしん」のキャッチフレーズ入り。そこからおなじみのマークに変わり、2021年に新マーク採用。
お話を伺ったのは
ヤマト運輸 コーポレートコミュニケーション部
吉澤建人さん
子どもの絵をヒントに生まれた親しみやすいネコマーク
クロネコと言えば、「クロネコヤマトの宅急便」を連想する人も多いはず。2021年には、ネコマークが制定64年目にして初めてリニューアルされたことがニュースになるほど、広く愛されてきた親子猫のマークは、一体どのように誕生したのか。ヤマト運輸の吉澤建人さんに聞いた。
![ネコマーク誕生のきっかけになった、アライド・ヴァン・ラインズ社の親子猫マーク。新たに発見された原案と通ずるものがある。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/9/-/img_79ed30c8e130d3214f5bb4b6e55850d751477.jpg)
「大和運輸時代だった1957年に、業務提携を結んだアメリカのアライド・ヴァン・ラインズ社のシンボルが親子猫マークでした。そこに込められた、“careful handling(丁寧な荷扱い)”という信念に創業社長の小倉康臣が共感し、使用許諾を得たのがクロネコマーク誕生のきっかけです」
これをもとに、マークのデザインを担当したのは、大和運輸の広報だった清水武さん。彼の娘が画用紙にクレヨンで描いた親子猫がヒントとなり、同年6月にネコマークのデザインが完成した。
![ネコマークの原案として知られていた絵。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/a/-/img_ca34961080035c2371cdad9f676d8f0164899.jpg)
![2016年に発見された、ネコマークにより近い絵。親猫の口元に黄色い仔猫が描かれており、よりネコマークに近い原案となっている。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/4/-/img_34dec39e371649b189893190c821fed497780.jpg)
2016年には、原案として知られていた絵の現物が発見されると、その画用紙の裏側には、ネコマークにより近い絵が描かれていることが発覚。約60年の時を経て、より詳細な過去が明らかになった。
2024.06.11(火)
文=田辺千菊(Choki!)
写真=平松市聖
CREA 2024年夏号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。