スポーツサンダルでお馴染みの「Teva(テバ)」は、今年で40周年。今ではアウトドアでも街でも定番となった“スポーツサンダル”だが、その火付け役であるテバはどのように誕生し、進化を遂げてきたのだろう。エポックメイキングな製品を振り返りながら、ブランドの軌跡をひも解いていこう。
「水辺で脱げないサンダルを」現代のサンダルのスタンダードをつくった40年前の“ひらめき”
「1984年、世界最大級の峡谷であるアメリカのグランドキャニオン。ひとりのリバーガイドの青年が、水辺でビーチサンダルが脱げてしまうことを不満に思っていました。そこで、ふと、腕時計の面ファスナーストラップをサンダルに括り付けてみた――。これがテバの歴史の始まりでした」(デッカーズジャパン 野田幸宏さん)
その青年とは、テバ創業者のマーク・サッチャー。アドベンチャーの中での思い付きから世界で初めてのストラップ付きサンダルを考案し、ブランドを立ち上げたのだ。
その3年後、テバ初の特許となる「ユニバーサル ストラップ システム」が誕生する。最小限のストラップの使用でありながら、足の甲、足首、かかとの3点でしっかりと足を固定する、今では代名詞ともいえるオリジナルデザインだ。
誰もが知るサンダルの歴史はここから始まった!
日本でテバの販売を手がけるデッカーズジャパンの野田幸宏さんは「テバがブレイクするきっかけになったシステムです」と切り出し、こう続ける。
「ユニバーサル ストラップ システムは非常にシンプルがゆえにテバを象徴するものになっています。似たようなデザインのサンダルも『テバっぽい』と言ってもらうことも多い。オリジンとなるこのデザインがブランドの一番の強みですね」
テバのDNAを搭載した最初のモデルが「オリジナル ユニバーサル」。それから派生して次々に新しい製品が生み出されていった。そして1990年代に入ると、テバは、世界でブームを巻き起こした。
2024.06.16(日)
文=一ノ瀬 伸
撮影=杉山秀樹