最新のiPad Proと比べた場合の気になる違いとは

 このように、世代がふたつ古い第5世代12.9インチiPad Proと比べた場合は、それほど影響のある違いはないのですが、本製品と同時に発売された最新の13インチiPad Proとの比較では、気になる違いがいくつかあります。

 ひとつは薄さと軽さです。13インチiPad Proは、iPad史上最薄の5.1mmという厚みを実現しています。本製品も従来のiPad Proよりは薄くなっているのですが、厚みは6.1mmと、1mmもの差をつけられており、13インチiPad Proを手に取ってしまったあとでは、分厚く感じられてしまうので困ったものです。

 また薄型化と並行して、大幅に軽量化されているのも特徴です。ほぼ同等サイズでありながら、iPad AirとiPad Proには約40gの重量さがあります。少しでも軽いことを優先するのであれば、今回のiPad Airはどうしても不利になってしまいます。

 さらに画面の明るさもかなりの差があります。単にまぶしいだけではなく、屋外で撮った空の写真は雲のディティールがはっきりしていたり、食べ物やオブジェのハイライトが強調されていたりと、同じ写真を表示した時に、iPad Airでは見えないディティールが、iPad Proでは見えたりします。

 これは写真や動画を表示する機会が多い人や、イラストを描くなど色調にこだわる人にとっては、見逃せないポイントです。写真やイラストで食べている人であれば、このあたりケチるべきではないでしょうし、見る専門の人にとっても、クリエイターのこだわりを堪能するには、iPad Proのほうが有利ということになります。

 このほか意外と大きな違いなのがスピーカーです。iPad Airは本体を横向きにした時に、左右にひとつずつ、計2基のスピーカーがありますが、iPad Proは、左右それぞれの側に2つずつ、計4基のスピーカーを備えています。

2024.06.05(水)
文=山口真弘