iPad Proの旧モデルとの比較ではそれほどデメリットなし?
とはいえ、本当に必要な機能まで削られてしまっては、いざ買ってみてがっかり、ということになりかねません。具体的にどこが違うのかを見ていきましょう。
まずひとつはカメラです。従来のiPad Proでは、広角レンズに加えて超広角レンズが搭載されており、より広い画角での撮影が行えました。またLiDARスキャナを搭載し、3Dスキャンが行える強みもありました。これに対してiPad Airは、カメラ機能は広角レンズひとつだけとシンプルで、LiDARスキャナ機能もありません。
もっとも、写真撮影はスマホを使うのでiPadにはカメラ自体なくてもよいという人は多いでしょうし、また3Dスキャンに至ってはさらにマニア向けで、万人が必要とする機能ではありません。それこそプロユースのiPad Proに任せておけばよい機能で、あまりハンデにはならないでしょう。
顔認証(Face ID)を搭載するiPad Proと異なり、指紋認証(Touch ID)を搭載するのも特徴の1つです。電源ボタンに指紋認証センサーが一体化することで、電源ボタンを押し込みながらロックを解除できるTouch IDは、むしろFace IDよりもスピーディーで、これは逆にiPad Airのメリットと考える人もいるはずです。
USB Type-Cポートを搭載しているのはどちらも同じですが、iPad ProはThunderbolt / USB 4に対応することから、より高速なデータ転送が可能です。ただこれについても、4K解像度の写真や動画をガンガン転送してようやく実感できる差であり、ちょっとしたファイルコピー程度では気づかない可能性もあります。そもそも有線でのファイルコピー自体、iPadではやらないという人も少なくないでしょう。
2024.06.05(水)
文=山口真弘