実はサーフカルチャーはシドニーが発祥だった

 オーストラリアでサーフカルチャーの本場といえば、ゴールド・コーストを思い浮かべる人も多いだろう。だが実はその源流はシドニーにある。1914年、ハワイからやってきたサーフィンの神様デューク・カハナモクが波乗りを披露し、この新しい文化が広がっていったのだ。

 今やシドニーのライフスタイルにサーフィンはしっかりと根付き、シティから数十分の場所にサーフスポットが多数。なかでもボンダイ・ビーチは、観光客で賑わう人気エリアとなっている。

 さて、今回ご紹介するのは、マンリーを中心とするノーザン・ビーチ。かのサーフィンの神様が波乗りを伝授した場所である。現在、海辺の小さな町には、素敵なレストランなどもありながら、のどかなローカル感も残っているのが魅力だ。

 「子供のころには、みんなサーフィンに挑戦するよ。でも、簡単ではないからね。大人になっても続けるのは3~4割くらいかな」と語るのは、人気パブのマネジャー。評判ベーカリーのオーナーは「僕は今でもサーフィンを続けている。マンリーはリラックスしたビーチで、とても気持ちがいいんだ」と笑顔を見せる。

 さらにこの地は、もうひとつの伝説も生み出した。それが現在のサーフボードの主流となっている“トライ(3本)フィン”。それもノーザン・ビーチで誕生したのだ。

 シティのサーキュラー・キーからフェリーに乗れば約20~30分。自然体でいて、おしゃれ。穏やかな空気に包まれるノーザン・ビーチで、大都会シドニーのもうひとつの魅力を体感しよう。


最先端のシェイパーたちがここに

◆Rhino Laminating(ライノ・ラミネーティング)

 シドニーの2大サーフカルチャー発信地といえば、ボンダイを擁するサザン・ビーチと、マンリーを中心とするノーザン・ビーチ。そのマンリー郊外でサーフボード作りを手がける工房の直営店がこちら。

 小さなショップだが、サーファーにはたまらない空間だ。

Rhino Laminating(ライノ・ラミネーティング)

所在地 42 Orchard Road, Brookvale
営業時間 8:00~18:00(土曜 9:00~15:00)
定休日 日曜
●マンリー・ビーチから車で約10分
https://rhinolaminating.com/

2024.06.05(水)
文=矢野詔次郎
写真=志水 隆
コーディネイト=トニー・フライ、東野ユリ(Spinnaker Films)

CREA Traveller 2024 vol.2
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

Dreaming of Australiaオーストラリアが教えてくれたこと

CREA Traveller 2024 vol.2

Dreaming of Australiaオーストラリアが教えてくれたこと

定価1,500円(税込)

「CREA Traveller」2024 vol.2の特集は、「オーストラリア特集」。