この島固有のアマミノクロウサギと夜の森で遭遇

 奄美大島といえば、アマミノクロウサギ。せっかくだから、見てみたい。

 とはいえ、夜行性のアマミノクロウサギを目撃するには、当然ながら夜の森に行かなくてはなりません。夜となると、猛毒のハブや虫などが出るかもしれず……。やはり、その土地を知り尽くしたエコツアーガイドに案内してもらうのが一番です。

 奄美大島エコツアーガイド連絡協議会の公式サイトにフィールド別のガイドのリストが掲載されているので、ご参考に。

 ナイトツアーはいくつかの市道で開催されていて、そのうちの「三太郎線」を体験しました。三太郎線では混雑しないよう、ルートの東西の入り口から30分おきに車1台ずつという制限があり、通行には事前の予約が必要です。

 ツアーは、ガイドの車で時速10キロのゆっくりとしたスピードを保ちながら、夜の森を進みます。いくつかのポイントでは車外に出て、ガイドが木の枝や川のたまりに隠れている生物を見つけてくれることも。道中は動植物の生態にまつわるお話も聞けて、さらに興味が湧いてきます。

 そんなくつろいだ雰囲気の中、ふとヘッドライトに照らし出された黒い物体が! なんとアマミノクロウサギです。

 車外に出て、アマミノクロウサギとの距離を2メートル以上キープしながら、「写真を……」とカメラを手にした瞬間、隙をついて草むらに飛び込んでしまいました。残念!

 そんな遭遇が何回か繰り返されました。希少種のアマミノクロウサギに思いのほかあっさりと出会えたことに驚きです。

2024.05.04(土)
文・撮影=古関千恵子