男性も女性も……気になる体験者の反応

●アサヒグループ食品 代表取締役社長 川原 浩さん

「『わたしプロローグ(月経前の一時的な晴れない気分を緩和する機能があるサプリメント)』のような商品を出す会社なので、資料やアンケートを読んで、生理時の痛みについてはわかっている気でいましたが、想像よりはるかに辛かった。『わかったつもり』と『わかる』ことはこんなに違うのかと。食べ物にあたったときの締め付けられるような痛みをひどくしたような痛みですね」

●アサヒグループジャパン People&Culture本部 タレント開発部 部長 山田裕介さん

「生理痛の話は聞いていて、私は理解があるほうだと思っていました。が、まさかの痛みで、この状態で仕事しているとは思わなかった。これは仕事にならないな、と。よく『ず~ん』という言葉で痛みを表現するじゃないですか。お腹に石をのせられているぐらいの痛みだと思っていた。でも、体験したら石をねじ込まれているような痛みで、これほどまでとは想像していなかった」

●アサヒグループ食品 ダイレクトマーケティング部 部長 岩崎琢也さん

「体がよじれるような痛みでした。ずっと痛いのかと思っていたら違うんですね。『いたっ』となって戻っての繰り返し。これは本当に電車にのっていられないですよ。女性は一生で約450回生理があると聞いています。この痛みが450回くるとは……。痛みのある中で、仕事や家事を行っている女性に対してリスペクトを感じました」

●アサヒグループ食品 広報 20代男性社員

「とにかくしんどい。一回きりの体験でしたけど、これが毎月となると、これは想像するだけでしんどい……。『弱』でも相当しんどくて、思考が停止しました。『中』でも、表情を普通の状態に保っておくだけで精一杯。『強』は声が出る痛みでした。立っていられない。世界中の女性がこの痛みを抱えて生きていることを今日初めて知りました。生理のときは、彼女に優しくして、家事も積極的に行いたいと思いました」
 

 一方、「私自身、普段痛みがないので『弱』でも結構痛かった。『強』のような痛みを感じている人は本当に大変だなと思いました」(アサヒグループ食品 ダイレクトマーケティング部 藤澤侑衣さん)といった女性社員の声も。同性であるからこそ、わかった気になりがちですが、生理の痛みは千差万別。男性が女性を理解するイベントであったと同時に、女性も女性に対しての理解を深められたようです。

 また、この経験を踏まえ、「この痛みを人に言えない環境があってはならない。この痛みが当たり前に会話されて、当たり前に解消されなければいけないですね」(川原社長)、「体調が悪い中、仕事しているのは不健全なので、働きやすい環境を整えないといけないと思いました」(山田さん)などの意見が次々と。

 このような取り組みをする企業が増えることで、「生理が辛くても我慢しながら働く」という当たり前が、そうではなくなる日が近づくかもしれません。

2024.04.27(土)
文=CREA編集部
撮影=深野未季