生理痛疑似体験、男性、女性それぞれの反応は?

 女性の体に月に一度訪れる生理。ちょっとお腹が痛むくらいという人から、痛みで救急車で運ばれたことがあるという人まで、程度の差こそあれ、女性なら誰しもが生理による不調を経験したことがあると思います。

 女性にとっては身近な生理ですが、気の置けない仲間同士の間では話題にできても、オフィスや学校など公の場では、なかなかオープンにしにくいものでした。

 それが、ここ数年、フェムテック・フェムケアの盛り上がりや、女性の労働力をもっと生かそうといった動きを経て、生理について社会全体で理解する必要があるのでは、という声が目立つようになってきました。

 女性は初潮を迎えてから閉経するまで約40年生理が続くとすると、一生における生理期間は、トータルで約6年9カ月にもなるのだそうです。そのようなことからも生理について皆が理解し、最大限に個人が能力を発揮できるようにするための動きが加速しているのです。

 アサヒグループ食品も、そうしたDE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン。性別や年齢、出身地や価値観などの違いを認め合い、一人ひとりが最大限に能力を発揮できている状態)の実現をめざす企業のひとつ。今回、入社3年目のアサヒグループ食品 人事総務部の窪田百恵さんの発案で、2024年3月28日(木)、「生理痛疑似体験」イベントが実施されました。

 窪田さんによると、DE&Iの取り組みを進めるにあたり、「人それぞれの違いを自分事化して理解するのはなかなか難しい。実際に何か体験して理解を深められるイベントができないか」と考え、性別特有の健康課題「生理痛」を体験できるイベントを企画。アサヒグループ食品の川原社長に相談したところ、二つ返事で承諾してくれ、開催に至ったのだそう。

 イベントは、アサヒグループ食品だけでなく、アサヒビールなど、アサヒグループ全体に呼び掛け、皆が気軽に参加できるようにと、アサヒグループ本社ビル内、社員食堂の近くのスペースで実施。当日は、アサヒグループ食品の社員だけでなく、多くの参加者で賑わっていました。

 生理痛疑似体験イベントで使用したのは、甲南大学と奈良女子大学により開発された、生理痛体験デバイス「ピリオノイド」。電気的筋肉刺激(EMS)を用いて腹筋を収縮させることで、生理時に生じる腹部の痛みを疑似再現できます。

 さて、気になる体験者の反応は?

2024.04.27(土)
文=CREA編集部
撮影=深野未季