ファンと一緒に作ったラブソング「I Promise You」
――「I Promise You」は、TikTok上でのファン投票を受けて作り上げたラブソングです。この企画はどういうふうに始まったんですか?
かれん アルバム制作を前に、どうやったらもっといろんな人にリトグリの曲を届けられるのかを、スタッフさんと話していて。最近はTikTokから名曲が生まれることが多いから、TikTokのアンケート機能を使って、みんなと曲を作ってみようということになりました。本当にゼロからの状態だったので、まずはどんな系統の曲にするかのアンケートをとって、歌詞が入ってないメロディだけのデモを何曲か聴いてもらって……。そうやって曲を分解してファンのみんなに聴いてもらいながら曲を作っていくのは、新鮮で面白かったです。
アサヒ 最後はTikTokでレコーディングの様子を10時間ぐらい生配信したんですけど、けっこうそわそわしながらの作業でしたね。ライブで歌っている姿はいつも見ていただいてるけど、マイクと自分の1対1で集中する姿を見られるのは初めてだったので。
――作詞はリトグリメンバーと、Yuya Fujinakaさんの共作です。
かれん ラブソングを作ることになって、ファンのみんなからエピソードを募集して。Fujinakaくんとメンバーで一緒に、どういうエピソードがいいかを選んでいきました。
結海 「I Promise You」で気に入ってる歌詞は、1番のサビでは「今日も明日も 約束しよう そばにいること」って言ってるけど、最後は「瞳閉じて 約束しよう そばにいること」に変化してるところ。その2人の関係値が、サビよりもラスサビの方が深まってる感じがして好きです。
かれん ファンのみんなにどんな系統の曲がいいか聞いたときに、「ウエディングソングがほしい」という声をもらって。リトグリにも、そういう曲が求められてるんだ!って新鮮でした(笑)。「I Promise You」は完全にウエディングソングに振ったわけじゃないけど、そういう感じも入ってますね。
――「ビートDEトーヒ」を手掛けたことでも知られるmeiyoさん作詞作曲の「ちょ待って!」は脱力感のあるラップ曲で、リトグリにとってはかなりの新機軸ですよね。
かれん meiyoさんに「リトグリっぽくない曲を歌いたいです」とリクエストさせてもらって。リトグリに対して世間の皆さんが一般的に抱いてるイメージって、真面目で優等生で、一生懸命歌を歌ってる、みたいな感じだと思うんです。だからこの曲では、そうじゃないリトグリも見せていくぜ!っていう狙いがあって。お遊び的な曲を作りたくて、メンバー6人とmeiyoさんで打ち合わせしました。meiyoさんは、メンバーのたわいもない話から、いろんなことをキャッチしてくれて。「ちょ待って!」というタイトルは、このギャルさん(MAYU)の口癖なんです。
MAYU ちょ待って! 無理! ヤバい! はもう、すぐ言うんで(笑)。
かれん 歌詞は、現代人の悩みやあるあるを考えながら、アイデアを出しました。音源が来た時は、面白い! リトグリっぽくない! とメンバーと盛り上がって(笑)。だからこそ、メンバーの誰が歌ってるかわからないぐらい声色を変えたり、“歌わない”ことを意識しました。脱力系の曲なので、何を言ってるか聴こえる程度に、口元でボソボソ歌うような。
結海 ラップとセリフのちょうど狭間みたいな感じのパートが多くて。「あ〜だるいな」っていう感じの主人公を演じながら、ノリノリで楽しくレコーディングしました。
ミカ 「暴飲暴食」とか「肌荒れヤバい」とか、歌詞が現実的なのが面白かったです。
かれん リトグリっぽくない曲だけど、ところどころにリトグリらしさも入れてくださって。「ごちゃ混ぜにしてお届けしたい」という歌詞のところがエコーっぽいんですけど、そこも全部人力で歌いました。
アサヒ 「お届けしたい」の「たい」がエコーっぽくなるんですけど、私、「たい」の一番最初からずっと“たいたい”言ってて……(笑)。
MAYU 最多“たい”隊長ってこと?(笑)
アサヒ しかも私が一番初めにレコーディングしたから、まだ誰の声も重なっていない状態で。「今、何回“たい”って言ったっけ?」って思いながら(笑)。楽しかったですね。
2024.03.29(金)
文=石橋果奈
写真=杉山拓也