この記事の連載
- 春の中華街【前篇】
- 春の中華街【後篇】
冬のイメージが強い鍋料理ですが、食のワンダーランド「横浜中華街」では一年中いつでも味わえるうえ、ローカルな中国料理も気軽に味わえることもあって、食通が遠くから通うほどレベルが高いのも特徴です。
今回は「横浜中華街」に精通する3人の賢者に、中国各地の郷土の魅力をひとつの鍋にぎゅっと集めた、ディープでガチ旨な“マニアック鍋”を教えてもらいました。歓迎会など宴会の多いこの季節、食に詳しい人をもてなしたいときや、グルメな集まりにもぴったりでぴったり。さらには、1人で楽しめる鍋料理にも注目を!
さあ、未知なる鍋体験へ!
》【後篇】賢者が推薦! 横浜中華街の土鍋ご飯【3選】はこちら
#01 東北人家 新館の鍋ランチ「ラム肉と漬け白菜の鍋」
まず、ご紹介したいのは、“横浜(ハマ)の中華街刑事(デカ)”の異名を持つ、横浜市某所勤務のグルメ公務員Xさんが推す東北人家 新館のランチ鍋です。
Xさんが偏愛するのは酸っぱい白菜“漬け白菜”の鍋で、オリエンタルな雰囲気の銅鍋に漬け白菜とラム肉があふれんばかりに入って登場します。
「発酵やら酸っぱいやらの文字を見るだけで心躍るのだけど、そこにラムの組み合わせとなれば最優先で頼まにゃならぬ。ほどよい酸味と旨みたっぷりのスープに漬かった柔らかなラム、そしてひとクセある白菜。終盤戦まで熱々の小鍋で食べられるも嬉しい。ご飯の力も使ってスープは最後の一滴まで飲み干しましょう」(X氏)
漬け白菜とは中国の発酵食品“酸菜(スヮァンツァイ)”のこと。白菜を甕に漬けて自然発酵させた、中国東北地方の料理に欠かせない食材です。酸っぱさの源は発酵で生じた乳酸菌なので、食べた翌朝はおなかの調子もすっきり快調!
鍋ランチ「ラム肉と漬け白菜の鍋」は平日の曜日限定メニューで、2024年4月までは月・火・水に登場(予定)。アツアツの小鍋にご飯、漬物、デザートが付く定食スタイルで、1人でも気軽に中国東北地方の本格的な鍋が味わえます。
ちなみに漬け白菜の鍋は夜メニューにもあり、中央に煙突のある中国式の銅鍋を炭火で熱するしゃぶしゃぶスタイル。肉や牡蠣、凍豆腐などを投入し、餃子などの追加アイテムもいろいろ選べます。ランチよりもさらにマニアックな鍋の雰囲気と神髄が楽しめるので、手軽なランチと迷いますね。
2024.03.27(水)
文=嶺月香里
写真=志水 隆