猫が本能のままに暮らせる理想の空間とは?

 ペットと人の快適な暮らしを長年研究してきた旭化成ホームズグループが考える、猫にとって理想の空間とはどういうものなのでしょうか?

 ペット共生住宅を例に獣医師の視点も交えて佐々木さんに教えてもらいました。

●室内キャットドア

 「人とペットが共生するためには、ペットの本能や習性を理解することが大切」という佐々木さん。猫の場合、居心地のいい場所を探し求めて移動するのが大好きなので、『室内キャットドア』があると行動の自由度が高まり、ストレス軽減につながるそう。

 また、キャットドアがあればドア本体は閉めたままにできるので、光熱費を節約できて一石二鳥。工事不要のパネルタイプのキャットドアもあるので、賃貸の方もぜひチェックしてみてくださいね。

●キャットタワー

 高い場所や縦の移動を好む猫。そんな立体的な動きを引き出せるのが『キャットタワー』です。「高い位置から部屋全体を見渡せると猫は安心します。来客時には避難場所としても大活躍」

 キャットタワーを置く場所が取れない場合は、段差のあるラックや収納棚で代用することも可能。「自然に昇り降りできるものがあれば、立派な運動になりますよ」

 佐々木さんによると、猫の運動不足は部屋の広さはさほど関係なく、飼い主さんの努力不足が原因という場合も。特に、成猫になると一人遊びをしなくなるので、飼い主さんが一緒に遊んであげたり、おやつをあげる時も棚の一番上に置いて昇り降りさせたりすると、コミュニケーションも深まって、いいこと尽くしです。

●外が見える窓

 暖かな日差しが注ぐ窓辺は、猫にとってリラックスできる憩いの場。「外を眺めるのが好きという習性もあり、窓辺は猫にとって特別な場所です。窓の鍵が開かないよう注意して、安心してくつろげる場所を作ってあげましょう」

●壁クロス見切り

 猫にとって欠かせない行動が“爪とぎ”。爪とぎ専用グッズを用意しても、壁や家具をガリガリしてしまうことは珍しくありません。

 ヘーベルメゾンの『壁クロス見切り』のように、あらかじめ壁クロスを上下で貼り分けることで、傷や汚れがついても見切りの下だけ貼り替えれば済むので、経済的にも安心です。

●半屋外空間

 ヘーベルハウスの戸建て住宅で、猫の飼い主さんに好評なのが、2階リビングと緩やかにつながった半屋外空間の『そらのま』。猫は散歩に連れて行けないので、“たまには外のにおいや風を感じさせてあげたい”という飼い主さんが多いそう。

 ここで紹介した空間づくりは、賃貸の方でも取り入れられるものがたくさんあります。愛猫が健康で快適に暮らせるよう、できることから始めてみてくださいね。

2024.03.16(土)
文=田辺千菊(Choki!)
写真提供=旭化成ホームズ(HEBEL HAUS)
撮影=今井知佑