一生の大半を室内で過ごす猫にとって、家の中が世界のすべて。近年は猫の長寿化も進み、ケガや病気を予防する観点からも、今後ますます猫のための家づくりが重要になっていきます。

 “賃貸住宅だから”“部屋が狭いから”と諦めていた人も必見!

 今回は、人とペットが暮らす家をつくり続けて20年以上という「旭化成ホームズグループ(HEBEL HAUS)」に、猫も人も快適に暮らせる家づくりのヒントを伺いました。


ペットは家族の一員。HEBEL HAUSが取り組む「ペット共生」への思い

 ペットフード協会が発表した「2023年全国犬猫飼育実態調査」によると、室内飼いの猫の推定飼育数は約906万9,000頭で、前年から約23万頭も増えていることがわかりました。

 HEBEL HAUSでおなじみの「旭化成ホームズグループ」は、こうしたペットと暮らす時代の到来を早くから予測し、1998年に「ペット研究会」を発足。以来研究をかさね、2000年にペット共生住宅「へーベルハウス +わん+にゃん」を、2006年にはペット共生型賃貸住宅「ヘーベルメゾン +わん+にゃん」を発表しています。

 人とペットが暮らす家の研究に取り組み続けるパイオニアに、猫にとって理想の家とはどういうものかを伺いました。

 お話を聞かせてくださったのは、旭化成ホームズ LONGLIFE 研究所長を務める河合慎一郎さんと旭化成不動産レジデンスでペット共生型賃貸住宅の管理・運営に携わる獣医師・佐々木亜子さんのおふたりです。

「ヘーベルハウスのペット共生住宅は、単に“ペット飼育可”だけで終わらず、ペットと暮らすことを目的として設計された住宅です。具体的には、ペットが暮らしやすい設計と仕様を備え、来訪者や近隣への配慮も強化することで、飼い主様も近隣の方も安心で快適に暮らせる社会づくりにも貢献していきたいと考えています」(河合さん)

 旭化成ホームズのペット共生住宅は、戸建ての注文住宅から始まり、現在はペット共生型賃貸住宅も展開。首都圏を中心に、東海、関西、西日本にもエリアを広げ、管理戸数は約13,000戸にものぼると言います。

「ヘーベルメゾンのペット共生型賃貸住宅は、ペットと暮らしている方を最優先に、これからお迎えする予定がある方なども含めて、ペットにご理解がある方のみご入居いただけます。現在、犬と猫の飼育率はほぼ同じ割合で、お互い遠慮することなく堂々とペットと暮らせますので、入居者様同士のコミュニケーションもとても円滑です」(佐々木さん)

 さらに心強いのは、物件の管理・運営に携わる佐々木さんが獣医師でもあるということ。専属獣医師として、入居者のペットに関する無料相談にも対応しているので、特に病院嫌いな猫の飼い主さんに好評だそう。

 ほかにも、ペットシッターをお得に利用できるサービスなどもあり、警戒心が強い猫に極力ストレスを与えず、慣れた場所でお世話してもらえるのも安心です。

「専属獣医師がいる住宅メーカーは全国でも珍しいと思いますが、これこそ旭化成ホームズグループが考える”LONGLIFE(ロングライフ)”のあり方を体現しているもののひとつです。建物が長持ちすることはもちろん重要ですが、そこにお住まいの方たちの”暮らしのいいところを長続きさせる”ことが、私たちが目指すLONGLIFEです。

 ペットに関しても、一緒に住める場所だけでなく、”共に生きるためにはなにが必要か”ということをペットと人の両方の立場から考えて、暮らし方もサポートしていきたいですね」(河合さん)

2024.03.16(土)
文=田辺千菊(Choki!)
写真提供=旭化成ホームズ(HEBEL HAUS)
撮影=今井知佑