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パンダの食べ残しをゾウにあげていたことも

 かつてはパンダが食べ残した竹をゾウにあげていましたが、今はゾウにも新鮮な竹をあげています。それでは、パンダが食べ残した大量の竹は、どうしているのでしょう。上野動物園によると、東京湾の埋め立て用の資材などとして使われているそうです。厳しいチェックを経たパンダ用の竹なら、埋め立てにも安心して使えます。

 竹のほか、リンゴやニンジンも調整係が用意します。「パンダ団子」は、飼料室で材料を粉にして、飼育係が蒸して作ります。上野動物園にいるパンダはパンダ団子が大好きなので、トレーニングへの誘導にパンダ団子を活用することもあります。

 このように調整係の仕事は飼育の土台を支えています。

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中川 美帆 (なかがわ みほ)

パンダジャーナリスト。早稲田大学教育学部卒。毎日新聞出版「週刊エコノミスト」などの記者を経て、ジャイアントパンダに関わる各分野の専門家に取材している。訪れたパンダの飼育地は、日本(4カ所)、中国本土(11カ所)、香港、マカオ、台湾、韓国、インドネシア、シンガポール、マレーシア、タイ、カナダ(2カ所)、アメリカ(4カ所)、メキシコ、ベルギー、スペイン、オーストリア、ドイツ、フランス、オランダ、イギリス、フィンランド、デンマーク、ロシア。近著に『パンダワールド We love PANDA』(大和書房)がある。
@nakagawamihoo

パンダワールド We love PANDA

定価 1,650円(税込)
大和書房
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次の話を読むパンダ4頭分の行動を1分ごとに記録 シャオシャオの異変に気づいたのも 飼育係の小さな疑問からだった

2024.03.17(日)
文・撮影=中川美帆