「今日が最後になるかもしれない」という危機感を持って仕事をする

――今年はデビューしてちょうど10年の節目にあたります。ご自身でこれまでを振り返ってみて、いかがですか。

 やっぱり20代は知らないことが多くて、未熟が故に「これは戦いだな」と感じる瞬間もたくさんありました。そういう中で、悩みながら日々仕事にまい進して「きっと全てが何かに繋がっている」と信じながら仕事をしていました。

――30歳を迎えた今、お仕事のスタンスや考え方に変化はありましたか?

 30歳になって大きく変わったのは、仕事に対する心構えですね。20代の頃は体力や気力でなんとか乗り越えてきたものが、だんだん体力も落ちてくるし、経験したことも増える分、鮮度を落としてはいけないという不安はいつもあります。なので、一度経験したことがある仕事だったとしても、初めてやるくらいのピュアな気持ちを持ち続けることが、私はこの仕事する上で大事だと思うんです。

 いつでも謙虚でいるべきだと思うし、自分がやってきたことに対して絶対にあぐらをかかない。「今日が最後になるかもしれない」くらいの危機感を持って仕事をしようという考え方に変わりました。きっと今後はそこがよりシビアになっていくと思うので、覚悟しています。

――これまで様々な役を演じられてきましたが、これから挑戦してみたい作品や役柄はありますか?

 シリアスなものもコメディも両方好きなので、今後もそのスタンスは変えたくないなと思っています。あとはその年齢だからこそ演じられる役柄があると思うので、母親役や大人の恋愛ものなど、その年に見合った、その年齢でしかできない役や作品に挑戦していきたいです。

2024.01.05(金)
文=根津香菜子
撮影=杉山拓也
ヘアメイク=北原 果(KiKi inc.)
スタイリスト=安藤真由美(スーパーコンチネンタル)