渡辺 50代ぐらいから?

中尾 やっぱり手軽なほうが続けやすい。いろんな献立を考えなくていいし。

渡辺 じゃあ、毎朝起きる時間も決まってますか?

中尾 5時起き。犬の散歩を1時間するから5時じゃないと間に合わないのよ。

渡辺 間に合わない? 

中尾 毎朝、ご近所さんたちと近くの公園で運動をしてるの。その人たちが4~5人で6時45分にうちに迎えに来るんですよ。

全員 へ~!

中尾 最初は私1人でやってたのね。ストレッチとか懸垂とか、それこそ、『ピピン』をやるために鍛えていたんだけど、それを見たご近所さんが集まってきて「教えてほしい」って。

渡辺 ていうか懸垂!

中尾 公園のうんていで。

野宮 ぶら下がって?

中尾 ぶら下がるだけでも大変なんだけど(笑)。

渡辺 大変大変!

 

野宮 私はまずぶら下がることができない(笑)。

中尾 私も最初はできなかった。ご近所さんたちもみんなできなかった。でもできるようになったの。だから毎日続けるって、本当にすごいことなのよ。

孤独と煩わしさ、どちらを選択して生きる?

松本 変な話ですけど、毎朝交流するというのは、生存確認的な意味合いも?

中尾 もちろん。あれ? 今日は来てないねって、家に訪ねていったり。「大丈夫ですか?」って。

渡辺 ミエさんの本に「孤独よりも煩わしさを選ぶ」ってありましたけど、そういうことなんですね。

中尾 というか、私は二択しかないと思ってるのよ。孤独に生きるのか、煩わしさを伴って生きるのか。どっち選びます? っていわれたら「煩わしさ」。

●家制度がみたいなものがイヤだったという中尾さんが「気持ちだけで繋がっている」と話す50年来のパートナーについてや、15歳からの芸能人生、尾藤イサオさんや正司花江さんとのショーを企画した思いなど、座談会の全文は「週刊文春WOMAN2024創刊5周年記念号」でお読みいただけます。

なかおみえ/1946年福岡県生まれ。1962年、「可愛いベイビー」でデビュー。伊東ゆかり、園まりと共に「三人娘」として一世を風靡。2019年、舞台『ピピン』出演。2024年2月9日から12日まで、ゲストに尾藤イサオらを迎え、喜寿を記念したライブ「中尾ミエ 77th birthday live No Time At All〜人生もっともっと楽しまなくちゃ〜」を、有楽町のI’M A SHOW(アイマショウ)にて開催。

2024.01.15(月)
文=辛島いづみ