〈「赤ちゃんはどうやってできるの?」と子どもに聞かれたらどう答えればいい? 産婦人科医が“完全回答”〉から続く
出産年齢が高まるにつれ、親の更年期と娘の思春期が重なる家庭が増えました。また、親世代が10代だった頃と、今の子どもたちが生きる社会では、生理痛の捉え方、生理用品の選択肢、治療や予防からジェンダー意識も変化しています。そうした背景もあり、性のことや心身のことについて、どうやって娘と話せばいいのか悩んでいる親も多いのではないでしょうか。
ここでは、産婦人科医・高尾美穂さんが性教育について綴った著書『娘と話す、からだ・こころ・性のこと』(朝日新聞出版)より一部を抜粋。思春期の子どもに対して、性交渉や性被害についてどう話せばいいのか、高尾さんのアドバイスを紹介します。(全2回の2回目/1回目から続く)
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「“好き”を否定しない」が恋愛トークのコツ
娘さんが小さいときは、性交渉に対する好奇心はあってもリアリティーはないでしょう。それが、中学生ぐらいになってくると、自分も実際に経験するかもしれないというリアリティーが芽生えてきます。そんなころ、親子でもう一歩、深い話をする機会があるといいなと思います。
好きな子がいるとか、だれだれさんに告白されたといったことを親に言うかどうかは、その子の性格にもよるので一概には言えませんが、親子の関係がまあまあ良好であれば、小学生のうちはいろいろ話してくれる可能性が高いと思われます。「バレンタインデーにチョコレートを渡したい子がいるんだ」という娘さんと一緒に手づくりチョコをつくるみたいな光景は、あちこちの家庭にあるでしょう。
ただ、そんなふうに、子どもがなんでも話してくれる状況というのは、じつはそんなに当たり前ではありません。話してくれたなら、親はむしろありがたいと思うぐらいがいいかもしれません。
2023.12.07(木)
文=高尾美穂