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「仕事ばかり」の日々も乗り越えられる理由

――いま、NKH朝の連続テレビ小説『ブギウギ』では、ヒロインが恋に落ちる相手役も演じています。気力体力ともにどのように維持しているのですか?

 共演者、スタッフ含め、現場のみなさんの頑張ってくださる姿にチャージされて、あの人たちがいるから現場に行こうと頑張れています。それってすごい大きなことだと思います。

 高額のギャランティや名前のある大きな作品も魅力的ですが、一緒に仕事をする人が駄目だったらやっぱり仕事ってできないと思うんですよ。「人が合わなくても作品が大きかったらやるよ」ということもあるかもしれませんが、でもそういうのって、次につながっていかないというか……。

 次々と新しい作品が積み上がっては消えていく世界ですし、消えていかない良質な作品を作るために役者もスタッフも日々努力していますが、やっぱり「人」っていう部分がないと、なかなか仕事に行きたくなくなりますよね。……なんか、当たり前のことを言ってるだけですね、僕。すみません。

――お仕事に対して真摯に真剣に向き合っておられるのですね。オフの日や、お仕事のことを考えない日もあるのでしょうか。

 あまりないかなあ……。僕、まわりの役者の方々と同レベルというか、恥ずかしくないレベルに達するまで、準備が必要なタイプの人間なので、「もうしばらく仕事はありません」と言われないと、仕事を考えない日はないかもしれません。

 でもそれがそんなつらくもないんですよね。ブラック企業にお勤めのかたが仕事のことをずっと考えるのはつらいかもしれませんが、僕は好きで、楽しく仕事ができている人間だと思うし、この仕事が僕の生活の一部にもなっているので、「仕事ばかり」と思われても、それがそんなにつらくはないです。

2023.12.04(月)
取材・文=相澤洋美
写真=榎本麻美