タイムボックス制を使いこなすコツ

 数カ月後、その効果は顕著に表れて、コードベース(ソースコードの集まり)への理解が深まり、仕事をコントロールできている感が格段に高まったのだ。技術力がぐんぐん上がる手応えも感じる。日々忙しくしているが5時には確実に仕事が終わるので、ストレスもあまり溜まらない。

 タイムボックス制を始めたのは1年でもっとも忙しい時期である5月だったが、実働時間が減ったのに生産性は落ちるどころか、いきなり上がった感がある。

 さらに「データドリブン」を採用し、今どれくらい何に時間を使っているのかを正確に分析してみた。自分は何かの作業をするときに、OneNoteというツールでメモを取る癖があるが、そこにスタートと終了時間を記録するようにした。

 自分がなんとなくこれぐらい時間を使ったと「感じる」ことと実際どれだけかかったかは意外に違うものだ。それを振り返って、何にどのくらい時間を配分するかを決めることでさらに効率は上がった。

 このときの注意点は、「完了」に焦点を当てないこと。予定はあくまで予定なのだから、タスクが終わらなくても割り当てた時間内でやめる。完了は目指さず、区切られた時間で集中するのがタイムボックス制を使いこなすコツだ。

世界一流エンジニアの思考法

定価 1,760円(税込)
文藝春秋
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牛尾 剛(うしお・つよし)

1971年、大阪府生まれ。米マイクロソフトAzure Functionsプロダクトチーム シニアソフトウェアエンジニア。シアトル在住。関西大学卒業後、大手SIerでITエンジニアをはじめ、2009年に独立。アジャイル、DevOpsのコンサルタントとして数多くのコンサルティングや講演を手掛けてきた。2015年、米国マイクロソフトに入社。エバンジェリストとしての活躍を経て、2019年より米国本社でAzure Functionsの開発に従事する。ソフトウェア開発の最前線での学びを伝えるnoteが人気を博す。

2023.11.29(水)
著者=牛尾 剛