「稲とアガベ」で培った縁でできたお店
「これまで『稲とアガベ』で培ってきた縁に支えられているお店ですね。その縁があったからこそ仕入れることのできた食材ばかりですし、値段です。中でもおすすめはスープ。スープをしっかりと味わってほしいので具材は別皿にしています。さらに十文字ラーメンでおなじみのお麩もこだわりのひとつ。スープをたっぷり吸ったお麩はたまらないですよ」(岡住さん)
地元の人からの反応も上々だという。
「この場所じゃなきゃ食べられない1杯になってくれたかなと思っています。まだまだ秋田の食材には魅力的なものがたくさんあるので、新しいメニューも提供していきたいですね。今は塩だけですが、醤油ラーメンも挑戦中ですし『香りの舞』というおいしい舞茸があるので、それを使った炊き込みご飯なんかも考えています」(岡住さん)
10月27日(金)~29日(日)には監修を手掛けた「一風堂」の名物メニュー「白丸元味」を提供する「おがやで一風堂in男鹿」を3日間限定で開催するという。今後ももうひとつの看板メニュー「赤丸新味」を提供するイベントを開いたり、地元の人が喜ぶ仕掛けをさまざま予定しているそうだ。
醸造所、「SANABURI FACTORY」、そして「おがや」。「稲とアガベ」の男鹿市での新たな試みはこれで3つ目となる。
「ようやくですね。3つあることで、それぞれの場所を歩いて巡ったり、人の行き交いを目にするようになってきました。でもまだまだ男鹿市は発酵の途中です。お酒造りはもちろん、ラーメン店の新メニュー、そして発酵マヨを起点とした新しい調味料の開発、さらにはこれまで想像もしなかった事業も。僕たちの“醸し”は続いていきますよ」(岡住さん)
発酵とは、食品に微生物が増えることによって起こる変化の中でも人間に有益なことをいう。この男鹿の地でも岡住氏を中心にエネルギー溢れる人たちが集い、楽しみな変化が起き始めているよう。
稲とアガベ
2023.10.27(金)
文=CREA編集部