――なるほど、それはかなり大事なポイントですね。とはいえ、実際に味見をしてから購入するのはなかなか難しいと思います。情報としてどういうところを見ればいいのでしょうか。

田中 1つは、メーカーが打ち出すキャッチフレーズや説明書きの傾向を注視する。例えば、日立は「外硬内軟」、つまり外が固めで中が柔らかいという特徴を押し出しています。だったら、しゃっきりした食感なのかな、と見極める。

 傾向としては、関西発メーカーのパナソニック、タイガー、象印はもちもち、関東発メーカーの三菱、日立はしゃっきり系と言われていますね。ただ、今はしゃっきりからもちもちまで、好みの食感を選べる機能がそもそもついている炊飯器も多いんですよ。そういうモデルを選べば、家族の好みがそれぞれ違った場合も安心ですし、おかずに合わせて食感を変えられる楽しみ方もあります。

――本当にどんどん進化しているんですね。では、田中さんがおすすめするハイエンドモデルの炊飯器ベスト3を教えてください。

 

ハイエンドモデルの炊飯器おすすめベスト3

田中 1位はタイガー。先ほども説明しましたが、内釜が土鍋の「ご泡火炊き」というシリーズになってから、さらに美味しくなったと感じています。土鍋でご飯を炊く時と同じように、大量の「泡」がお米を包んで旨みを閉じ込め、粒立ちもしゃっきりするんです。

 最新のモデル(JRX-T100)は14万円前後で販売されていますが、去年のモデル(JPL-S100)になると9万円前後で購入できるので、お買い得ですよ。

 2位は日立です。6月に発売された「ふっくら御膳 漆黒」という機種(RZ-W100GM)で、こちらも9万円台ですね。

 京の老舗料亭「八代目儀兵衛」が監修に入っていて、「外硬内軟」の炊きあがりにこだわっているそうです。食感は1位のタイガー「ご泡火炊き」に近いと思います。10万円を超える機種が増えている中で、日立はハイエンドでも10万円以下で狙い目ですよ。

2023.10.19(木)
文=「文春オンライン」編集部