悪い方向にいくとそうなってしまうのですが、こういった脳のクセを利用して、良い方向に活用したのが「とりあえず5分勉強法」です。

 

気づいたら全部解き終わっている、という具合に勉強がはかどっていく

 とりあえず5分勉強法のコツは、「本当に5分でやめるつもりで始める」ことです。ただし「5分後にこれをする」まで決めてはいけません。たとえばですが、「5分経ったら、絶対たこ焼き食べる」などと決めていたら、たこ焼きを食べてしまいますから。

 仮に「絶対5分でやめるぞ」というつもりでやっても「なんかキリが悪いから、もうちょっとやっちゃおう」となるものです。

 たとえば「例文から知らない英単語を20個ピックアップして、意味を調べよう」と思ったとします。それで、5分間で12個目まで辞書を引いて、意味を書き込むことができたとしましょう。すると、「残り8個」が気になってしまうのが人間の性でもあります。そして「キリが悪いし、最後までやっておくか」となるわけです。

 で、単語の意味を調べると、例文のストーリーも見えてきます。そうすると「ちょっと例文も読んでみるか」となる。

 さらに、例文を読んでみたら、なんとなく意味がわかって、問題も解ける感じがしてきます。「あれっ、じゃあこの問題も解いとくか」となって、気づいたら、全部解き終わっている、という具合に勉強がはかどっていくのです。

「最初から負荷が大きいもの」は禁物

 もう1つは、ある京大生がやっていた「ぬり絵勉強法」です。

「ぬり絵勉強法」というのは、勉強した分だけ、方眼紙のマスを塗っていく、というものです。教科ごとに色を決めて、やった分塗っていく。それだけです。

 勉強量が可視化できるので、自然と楽しくなってくるんです。この効果は絶大です。

 そして、全部のマスを塗り終わると、紙がすごいことになります。

 この勉強法のポイントは「1マスの単位」をすごく小さくすることです。「1マス1時間」とかではダメ。ハードルが高くなってしまいます。

2023.09.19(火)
文=岡 健作