365日、ほぼ欠かさずマンガを読むという菅田将暉さん。一読者、原作を演じる俳優として、心を揺さぶられる作品の魅力とは。
主人公が逆境を打破するマンガに惹かれる
映画・音楽・ファッション―。多様なカルチャーに精通する菅田将暉さんは、筋金入りのマンガ好きでもある。没頭するあまり、夜ふかししてしまうことも多いそう。
「僕にとってマンガを読む行為は日常的なもので『毎週月曜日に週刊少年ジャンプを読む』といった風に習慣化しています。僕たちの仕事は移動時間と待ち時間が多いですし、作品に入っている間は頭でっかちになって他のことを考えられなくなるので、合間にマンガを読むことがリフレッシュにもなっています。
若いときは地方で泊まり込みの撮影があると、現地の本屋でマンガを大量に購入してホテルに持ち込んでいました。マンガ選びにおいては、友だちのおすすめや知っている作者さんの新刊はまずチェックします。また、表紙を見て気になったら読んでみる“ジャケ買い”もありますね。書店で見つからないものは検索コーナーで調べたり、最近だとスマホで読むことも増えてきました」
そんな彼に、惹かれるマンガの共通項を教えてもらった。
「例えばスポーツマンガだったら、格好よすぎない等身大の物語が好きです。少年マンガの王道でもあるかと思いますが、背が小さかったり足が遅かったり、弱かったりする主人公が逆境を打破していく展開や、練習シーンに惹かれます。いまパッと思い浮かんだものでも『ホイッスル!』『アイシールド21』『ファンタジスタ』……、例を挙げたら尽きません」
淀みなく作品名が出てくるところに菅田さんのマンガライフの濃度が感じられる。彼が、2017年秋に月刊フラワーズにて連載開始された『ミステリと言う勿れ』(田村由美/小学館)に出合うまで、そう時間はかからなかった。
2023.09.08(金)
Text=SYO
Photographs=Norihiko Okimura
Styling=Keita Izuka
Hair & Make-Up =Azuma(M-rep by MONDO artist-group)