この記事の連載

◆『往復書簡 限界から始まる』上野千鶴子  鈴木涼美

 社会学者の上野千鶴子と、作家の鈴木涼美による往復書簡。

「母と同世代の上野さんの言葉を読むことは、母の生きた時代背景を知る上で参考になる。母が抱えていたものが少しだけわかってきます。鈴木さんの思いを同時に読むことで、私たち親子の問題が浮かんでくるよう」

『往復書簡 限界から始まる』上野千鶴子  鈴木涼美

幻冬舎 1,760円

◆『テント日記/「縫うこと、着ること、語ること。」日記』長島有里枝

 写真家・長島有里枝が自身の母と向き合い、作品を作り上げる過程を綴った日記。

「私も作品を通さないと母と向き合えないと感じているので、見本のような存在。『お母さんにこそわかってほしい。そしてわかりたい』という長島さんの気持ちに慰められるようでした」

『テント日記/「縫うこと、着ること、語ること。」日記』長島有里枝

白水社 2,530円

植本一子(うえもと・いちこ)さん
写真家・エッセイスト

広島県生まれ。2003年、キヤノン写真新世紀で荒木経惟より優秀賞を受賞し、キャリアをスタート。写真館「天然スタジオ」にて、家族を撮影している。新刊は『愛は時間がかかる』(筑摩書房)

次の話を読む「『母』たちこそ、社会や政治への批判的な視点を常に持っていてほしい」写真家・長島有里枝が選ぶ3冊

2023.09.14(木)
Photographs=Ichiko Uemoto

CREA 2023年夏号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

母って何?

CREA 2023年夏号

母って何?

定価950円

CREAで10年ぶりの「母」特集。女性たちにとって「母になる」ことがもはや当たり前の選択肢ではなくなった日本の社会状況。政府が少子化対策を謳う一方で、なぜ出生数は減る一方なのか? この10年間で女性たちの意識、社会はどう変わったのか? 「母」となった女性、「母」とならなかった女性がいま考えることは? 徹底的に「母」について考えた一冊です。イモトアヤコさん、コムアイさん、pecoさんなど話題の方たちも登場。