⽣理の前はニキビができる、妊娠でシミが増える、閉経後は肌のたるみが進む……これってなぜ?
ホルモンとは、体のさまざまな働きを調整する物質。それによって、体の最表面である肌や髪の状態も大きく影響を受けている。ひと月の中の変化から、妊娠中の変化、年齢によるゆるやかな変化まで。気になる疑問を明らかに!
2種の女性ホルモンの分泌が変化すると、肌や髪も変化
生理前になると肌が脂っぽくニキビができたり、生理が終わってしばらくは調子がよかったり。ホルモンバランスの変化は、少なからず肌に影響する。そして年齢を重ねることによる肌のたるみや乾燥、髪のパサつきやうねりなどにも、実は女性ホルモンが大きく関わっている。
「女性ホルモンには“美肌ホルモン”と呼ばれる『エストロゲン』と、男性ホルモンに似た作用をもつ『プロゲステロン』の2種があります」と、まいこ ホリスティック スキン クリニックの山崎まいこ先生。
「生理後しばらくして分泌量が増えるエストロゲンには、肌のハリや潤い、血行のよさを保つ働きがあります。生理開始約14日後の排卵を境として増えるプロゲステロンは、肌の皮脂分泌量を増やすため、毛穴が開いたり、水分と油分のバランスがくずれて肌の調子が悪くなったりするのです」
加齢による肌や髪の変化に女性ホルモンが大きく影響してくるのは40代以降。
「エストロゲンの分泌が減少する40代以降は肌のハリや潤いが徐々に低下し、髪は細くなったりうねりが発生したり、全体のボリュームが低下したりします。閉経後はそれらがさらに顕著になります」
こういった変化を把握しておき、お手入れで外からコントロールすれば、イキイキとした肌や髪を保つことができる!
【女性の肌はホルモンに左右されている】
●ひと月の中の女性ホルモンの分泌状況によって肌が変化
排卵が起こると黄体ホルモンの分泌が優位になり、それによって体温が上昇。生理前まで2週間前後続く。肌の皮脂分泌が盛んになり、水分量が減るため、ベタつきやニキビ、ゆらぎなどのトラブルが現れやすい。
●一生の中で女性ホルモン分泌量はゆるやかに減少
女性ホルモンのうち、美肌作用のあるエストロゲンは卵巣から分泌される。加齢とともに卵巣の機能は低下し、それによってエストロゲンの分泌量も低下。特に40代以降は顕著に低下する。
2023.09.21(木)
Composition & Text=Mari Otsuka
Photographs=Kenichi Yoshida