洗濯前から洗濯は始まっています!

(1)汗をかいた服は、すぐに洗う。すぐに洗えないときは、ハンガーにかけておく

 すぐに洗えない場合は、一旦、乾かすことでモラクセラ菌の増殖を防ぐことができます。

 例えば、使用済みのバスタオルもすぐに洗えないときは、ひとまず乾かしておきましょう。それでも、ずっと何日も洗濯せずにほったらかしにしてはいけません。洗濯物は、脱いでから24時間以内に洗うのが理想なんです。

 僕たちは、劇団四季さんやシルク・ドゥ・ソレイユさんなどの舞台衣装や、クレイジーケンバンドさんをはじめ国内外の有名アーティストのステージ衣装のクリーニングもしています。お預かりする衣装は、毎回大量にあるので、一度に洗濯をするのは困難。そこで、まずは一旦ハンガーにかけて乾かしてから、検品作業をして洗濯を始めます。たくさん汗をかかれているので、そのまま放置してしまうと、どんどんモラクセラ菌が増殖してしまいます。すぐに洗濯できない場合は、まずは乾かす。この工程が仕上がりを大きく左右するんです。

(2)洗濯槽に洗濯物を保管しない

 洗濯槽の裏側には、たくさんの菌や汚れがひそんでいるので、洗濯槽に洗濯物を保管すると、菌が増える=臭いの原因になってしまいます。通気性のよいカゴに、濡れたものと乾いたものを分けて入れましょう。

 乾いた洗濯物が濡れた洗濯物によって湿ってしまうと、菌の増殖を助長してしまいます。通気性のよいカゴに“分けて”入れるのが大切なポイントです。

 なお、洗濯槽は、湿度が高い春と夏の時期は、市販の洗濯槽クリーナーを使って、月に1回は洗浄することをおすすめします。秋と冬は3か月に1回程度。定期的に洗うことで槽の菌や汚れを防げます。

(3)皮脂汚れには、「プレウォッシュ」と「洗濯ブラシ」!

 頑固な皮脂汚れは、通常の洗濯ではなかなか落ちないもの。そこで、僕たちプロのクリーニング屋は、洗濯する前に必ず「前処理(プレウォッシュ)」という工程を行います。この「プレウォッシュ」をするかどうかで、汚れ落ちは大きく変わります。方法は簡単です。

2023.08.28(月)
文=洗濯ブラザーズ