山下智久さんが向き合う相手は、常に自分自身。充実感を得ているか、情熱を傾けられるのかを自問自答し、納得が得られれば苦労も辛さも厭わない。
噓のない世界を目指し、ひたすら正直に、真っすぐ走り続けるー―。
6月7日発売CREA夏号では、たっぷりの撮り下ろしカットとともに山下さんの素顔に迫ります。今回は、特別にインタビューを全文公開します。
まずは経験して、感じて、その上で自分に正直に選択していけばいい
表現者・山下智久の視線の先には、今、どんな景色が広がっているのか。日本国内以外にグローバルな作品へも積極的に参加し、ボーダーレスに活躍の場を広げている。多くの現場を経験したことで、自身の強みと弱みを改めて認識したと話す。
「忍耐力というか、集中力を持続できる時間は、長めのほうなんだなと思いました。ただし、あくまでも“自分が好きなことなら”ですけどね。嫌いなこと、苦手なことだとやっぱり難しい。それと、長所であり短所だと思うのは、一個のことしかできないところ。一つの作品に入っているときは頭がそれだけになって、人とも会えなくなる。気分転換もしないですね」
10代のころからアイドル、俳優と、キャリアを重ねていく中で生まれた、自分との約束事は「無理をしない」ことだという。
「無理をして周りに合わせても、やっぱりうまくいかないんです。自分が心から楽しいと思えることじゃないとダメだよね、と思う」
と、ふと思案する表情。何を思い浮かべたのかを聞けば、「いろいろな仕事を振り返っていました」と、真っすぐな瞳で答えた。
2023.07.07(金)
Text=Kyoko Akayama
Photographs=Norihiko Okimura
Styling=Go Momose
Hair & Make-up=Ichiki Kita(Permanent)