山下智久さんが向き合う相手は、常に自分自身。充実感を得ているか、情熱を傾けられるのかを自問自答し、納得が得られれば苦労も辛さも厭わない。

 噓のない世界を目指し、ひたすら正直に、真っすぐ走り続けるー―。

 6月7日発売CREA夏号では、たっぷりの撮り下ろしカットとともに山下さんの素顔に迫ります。今回は、特別にインタビューを全文公開します。


まずは経験して、感じて、その上で自分に正直に選択していけばいい

 表現者・山下智久の視線の先には、今、どんな景色が広がっているのか。日本国内以外にグローバルな作品へも積極的に参加し、ボーダーレスに活躍の場を広げている。多くの現場を経験したことで、自身の強みと弱みを改めて認識したと話す。

「忍耐力というか、集中力を持続できる時間は、長めのほうなんだなと思いました。ただし、あくまでも“自分が好きなことなら”ですけどね。嫌いなこと、苦手なことだとやっぱり難しい。それと、長所であり短所だと思うのは、一個のことしかできないところ。一つの作品に入っているときは頭がそれだけになって、人とも会えなくなる。気分転換もしないですね」

 10代のころからアイドル、俳優と、キャリアを重ねていく中で生まれた、自分との約束事は「無理をしない」ことだという。

「無理をして周りに合わせても、やっぱりうまくいかないんです。自分が心から楽しいと思えることじゃないとダメだよね、と思う」

 と、ふと思案する表情。何を思い浮かべたのかを聞けば、「いろいろな仕事を振り返っていました」と、真っすぐな瞳で答えた。

2023.07.07(金)
Text=Kyoko Akayama
Photographs=Norihiko Okimura
Styling=Go Momose
Hair & Make-up=Ichiki Kita(Permanent)

CREA 2023年夏号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

母って何?

CREA 2023年夏号

母って何?

定価950円

CREAで10年ぶりの「母」特集。女性たちにとって「母になる」ことがもはや当たり前の選択肢ではなくなった日本の社会状況。政府が少子化対策を謳う一方で、なぜ出生数は減る一方なのか? この10年間で女性たちの意識、社会はどう変わったのか? 「母」となった女性、「母」とならなかった女性がいま考えることは? 徹底的に「母」について考えた一冊です。イモトアヤコさん、コムアイさん、pecoさんなど話題の方たちも登場。