秘湯中の秘湯が島内に4つも!

 いちばん行きやすいのは、本村集落にある本村温泉。2008年に完成した温泉施設で、更衣室や洗い場なども整っています。鉄分を多く含む褐色のお湯で、単純温泉。地元の人も訪れます。

 本村集落と反対側の北に位置するのが、西之湯温泉。漁師小屋のような掘っ立て小屋に、男性優先の露天と女性優先の小屋掛けの2つの湯船があります(男女の区別はないもよう)。

 ナトリウム-塩化物温泉で、満潮ごろになると、底から透明のお湯が沸き、やがて茶褐色になるのだとか。露天風呂では夕暮れ時は海を望み、夜には満天の星が広がります。

 秘湯中の秘湯が、北海岸にある寝待温泉。半壊したような廃墟に1つの湯船なので、更衣室の入り口にカギをかけて入ります。

 お湯に浸かると、乳白色のお湯の底にごつごつとした硫黄の塊が。湯船の壁面にも白い硫黄がたっぷりと。

 泉質は酸性・含硫黄・ナトリウム・塩化物温泉(硫化水素型)。と、書いても何がどう効くのか正直よくわからないのですが、とにかく湯上がり後に明らかに違いがわかった温泉ははじめて。肩こりがラクになりました!

 今は土砂崩れによって荒廃が進んでいますが、10年前は湯治客も多く、民宿も賑わっていたとか。寝待温泉の前には島の景勝地の「立神」の岩塊がそびえ、海底温泉もあります。

 アクセスのハードルが高いのは、島の東部の湯向温泉。本村から片道車で約40分かかり、公共交通機関はありません。

 青みをおびた乳白色のお湯に湯の花が舞う、含硫黄・ナトリウム・塩化物温泉(硫化水素型)です。

 湯殿は男女別に分かれており、更衣室もあります。湯向に1泊して、夕に、朝にと温泉三昧を楽しみました。

 ちなみに、訪れた春先は温泉施設を建設中でした。今頃はぴかぴかの温泉施設がオープンしているはず。

 4つの温泉のうち、本村温泉は入湯料350円。西之湯温泉と寝待温泉は200円、湯向温泉は100円を設置された箱におさめます。

 活火山の存在を感じる口永良部島。火山の島に暮らすとはどういうことなのでしょう。本村区長の貴船 森(きぶね もり)さんに聞きました。

2023.06.03(土)
文・撮影=古関千恵子