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母と娘が織りなす味。釜山名物ヤンコプチャン

 港町ながら肉の内臓も好んで食べる釜山。ご当地名物ヤンコプチャン、その中でもずっと訪れてみたかったペクファヤンコプチャンを夕食に選んだ。

 一つの店舗の中に何人ものオモニが小さな店を構えているスタイルで、メニューも価格も統一されている。案内係の腕章をつけたオンニの導きのままに11号の看板の下に座り、塩とヤンニョンどちらかの味を選ぶ。

 以前おかっぱと食べた味の記憶で真っ赤なヤンニョンのコプチャンを選択し、釜山焼酎デソンのロゴがプリントされた短いエプロンをつける。コプチャン入り鉄鍋が焼き網に置かれた瞬間、飛び散ったヤンニョン色の油で火力の強さが分かった。白いボトムスでホテルを出たことに短く落ち込むが、サラダと水キムチのあまりのおいしさに心の染みは吹き飛んでいった。

 たくさん食べてくださいね、という一言とともに小皿に取り分けられたヤンコプチャン。嚙み締めると旨みたっぷりの脂がジュっと飛び出した。サラダをおかわりしながら、〆を注文。

 炙りたての海苔にのせたポックンパッはご飯の香ばしさが絶品。

 お客さんがひと段落し、お喋りをしている店主のふたりと目が合った。

 「似ているでしょう? 違う店で8年修業をした母が独立したから私もここで働けているんです」と話す娘さん。

 帰り際、デソンのエプロンがかわいいというおかっぱに、これは油まみれだからと言って娘さんが戸棚から何かを取り出した。みやげにと渡してくれたのはデソンのロゴが入った靴下だった。

【南浦洞】
ペクファヤンコプチャン(백화양곱창)

所在地 釜山広域市中区チャガルチ路23番ギル6(부산광역시 중구 자갈치로 23번길 6)
電話番号 051-246-0936
営業時間 12:00~24:00
定休日 第1・3・5日曜

おかっぱとボブ

いつもおかっぱの撮影担当・衛藤キヨコと時々ボブの文章担当・小池花恵。相棒ふたりであちこち旅に出て、時々noteを更新中。

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2023.06.04(日)
Photographs=Kiyoko Eto
Text & Coordination=Hanae Koike

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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