どんな民族にも、何を作ろうなんて考えなくても、簡単に作れて、飽きることなく毎日食べられる食があるのです。フランスなら、温かい野菜スープに、パンとチーズがあれば食事になるでしょう。
それ以上の料理は、時間があるとき、心に余裕があるとき、お金があるときに、食べたいもの、食べさせたいものを作ればいいのです。味噌汁を作るだけなら、10分もしないうちに温かいものが食べられます。それ以上のことは、やらされるのではなく、自分の意思でやることです。そうすれば料理は楽しみになる、できるのです。メインディッシュの作り方なんて後回しでいいのです。
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料理研究家・土井善晴氏による「和食文化を救う一汁一菜」の全文は、月刊「文藝春秋」2023年4月号と、「文藝春秋 電子版」に掲載されています。
2023.04.12(水)
文=土井善晴