そんな時、久しぶりにテレビをつけてみたらロバートがすごいゆるいロケをしてて、自然と笑いが出たんです。計算された漫才やコントではなく、なんでもない日常でもお笑いになるんだというか、ちょっとしたことで幸せになれるってことを教えてもらった気がしました。

「私の人生、ロクに恋愛してこなかったじゃないか!」

――育児もお仕事も、虻川さんはストイックといいますか。もともと虻川さんは結婚願望が強かったのでしょうか。

虻川 30代前半まではずっと仕事のことしか頭になかったです。光浦(靖子)さんに連れていってもらったバーのママに「アンタの話はさっきから仕事ばっかでつまんない。男の話のひとつできないわけ?」と言われてハッとして。「私の人生、ロクに恋愛してこなかったじゃないか!」と雷が落ちた気がしました。

――すぐになにか行動されたのですか?

 

虻川 それから慌てて合コンに行ったんですけど、黒のスーツ上下で参加したらまるで男装の麗人。経験がないから着ていく服がわからなかったんですよね。周囲はドン引きで、当然結果は出ないし、逆に奢らされて終わってしまったこともあり、合コンはダメだなと。

 それをバーのママに話したら、「アンタなんか仕事現場にたくさん男いるでしょ」と言われたことでまたハッとしまして。

――たしかに、虻川さんの周りには魅力的な方がたくさんいそうな気がします。

虻川 仕事で会う人を恋愛対象として見る思考がまったくなかったのですが、恋愛スイッチをONにした途端、ロケで一緒になったのが今の夫だったんです。

女芸人に助けてもらい、夫と付き合うことに

――ロケで出会ってどうやって恋人関係に?

虻川 「私が奢るから店のシェフの電話番号をゲットしてください」と、大久保(佳代子)さんをはじめとした仲のいい女芸人にお願いして、皆で夫の店にご飯を食べに行きました。そこで見事に番号をゲットしてもらったんです。

――女芸人の皆さんの助けで縁ができたんですね。

2023.04.11(火)
文=小泉なつみ