POINT

混ぜすぎることはないのでしっかり混ぜる。よく混ぜたほうが失敗しない。

 混ぜすぎることがない、というのは思い切り混ぜられて安心です。

 次は、こちらも初めてならドキドキの、型に入れて焼く工程に。

(9) 型に生地を入れる。竹串1本で小さな円を40回ほど描きながら全体を混ぜる。

POINT

竹串で混ぜると、生地の気泡が小さく均一に揃い、つるんとした表面に焼きあがる。

(10) 天板にバットをのせて型を置き、オーブンに入れる。

POINT

バットにのせることで湯につからず、下からの熱が弱くなってゆっくり火が入り、表面が割れにくくなる。

(11) 天板に40℃以上の湯を1センチの高さになるくらい注ぐ。150℃で30分湯煎焼きにしたら、140℃に温度をさげて30分ほど湯煎焼きにする。

POINT

途中でなくなりそうであれば、湯を足す。表面に焼き色がついてハリが出たら焼きあがりの目安。

(12) オーブンから型を取り出し、型をはずしてクッキングシートをはがす。

POINT

湯が残っている場合は型だけ取り出して、天板は冷めてから取り出すと安心。

 というわけで、この通~りにやれば、きれいでおいしそうなスフレチーズケーキができあがったはず!

 ちなみにさらにポイントがあり、「表面が割れないようにする方法」も伝授しています。

表面が割れないようにする方法

 気密性の高いオーブンの場合、庫内に蒸気がたまりすぎて温度が上昇してしまい、表面が割れることがあります。140℃に温度をさげたあとは、15分ごとに扉を開けて蒸気を逃がすと、表面がつるんときれいに焼けます。

 ただし、温度がさがるとふくらまないので、十分に高さが出るまでは開けないように注意。また、温度がさがりすぎると焼き時間が長く必要になる可能性があります。


 読むだけでもうお菓子作りが上手になった気しかしない……。ぜひスフレチーズケーキ以外のお菓子にもチャレンジしてみてくださいね。

江口和明(えぐち・かずあき)

パティスリー&カフェ DEL’IMMOシェフパティシエ。東京都生まれ。父は和食の料理人、母は栄養士という環境下で食の感性が磨かれた。ショコラティエとして修業してきた経験・技術を生かし、日々ショコラスイーツの創作に励む。徹底的に素材にこだわりながら、精緻な技巧を駆使して創り上げるその絶品の数々は、どれも斬新的な美しさを見せる。
製菓専門学校を卒業後、「渋谷フランセ」に入社。その後、東京、神戸の高級チョコレート専門店にて研鑽を積む。ベルギーアントワープの老舗ショコラトリー「デルレイ」本店で研修後、他業種の商品開発を経験。
26歳の時に最高のサーヴィスと経営を学ぶ為、株式会社グローバルダイニングへ。「デカダンスドュショコラ」等、ペイストリー部門を統括。
2013年デリーモブランド立ち上げ時よりシェフパティシエ/ショコラティエに就任。
2020年2月よりYouTubeで動画の配信を開始。「お菓子のなぜ?」がわかる丁寧な解説、常識にこだわらないプロならではの手抜きテクニックが反響を呼び、現在チャンネル登録者数は17万人を超える。

YouTube KAZUAKI EGUCHI
Twitter @EguchiKazuaki
Instagram @eguchikazuaki

『とんでもないお菓子作り』

江口和明 著
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2023.02.21(火)
文=鶴留聖代、CREA編集部
撮影=柿崎真子
スタイリング=青木夕子