これらはAndroidでも同様で、iOS固有の問題というわけではないのですが、こうした個別作業が必要なアプリをいくつ利用しているかが、移行の手間を決定づけると言っても過言ではないでしょう。

 とはいえ全体的な流れは非常にスムーズで、数十GBのデータがあっても移行完了までには数時間程度しかかからず、実際に画面を見ながら行わなくてはいけない操作はほんの十数分程度です。

 重要なデータについては、きちんと引き継がれているか念のためチェックしたほうが無難ですが、用心して旧端末を何日にもわたって初期化せずキープしておくほどの必要は感じません。機種変更のハードルは、極めて低いといっていいでしょう。

 

Androidはメーカー事にツールがバラバラ

 一方のAndroidはどうでしょうか。Androidはメーカーごとに機種変更のためのツールがバラバラで、それによって手間も大きく異なるのですが、今回はGoogleの「Pixel」シリーズが採用している最新の移行ツールを例に紹介します。

 このツールでは、新旧デバイスを有線ケーブルで接続してのスムーズなデータ転送が行えます。細かな設定はもちろんのこと、インストール済みアプリはGoogle Playストアから自動的にダウンロードされ、従来と同じ配置でホーム画面に並べてくれます。

 試した限りでは、公開が終了したアプリを除けば、手動で再インストールしなくてはいけないアプリはありませんでした。

 生体認証などの設定こそ、改めて行わなくてはいけないものの、全体的に作業はほぼ自動化されており、iPhoneにおけるクイックスタート機能と比べても、移行作業はきわめて容易です。

 Googleアカウントでログインしているアプリは、再ログイン不要でそのまま使えてしまいますし、Google Payに登録しているカードも、セキュリティコードを入力すれば再登録なしで引き続き使用できます。

2023.02.13(月)
文=山口真弘