スマホの機種変更にともなうアプリやデータ、設定の移行は何かと面倒なもの。新規にセットアップするだけならまだしも、アプリやデータを取りこぼしなく移行させる手間を考えると「もうしばらくこのまま使い続けよう」と、機種変更を躊躇してしまう人も少なくないことでしょう。
もっとも、こうした機種変更に伴うデータ移行は、専用ツールの進化も著しく、ユーザにかかる負担は徐々に少なくなりつつあります。今回は、iOSとAndroidそれぞれについて、最新のツールを用いて、機種変更に伴うデータ移行の手間がどのぐらいかかるのかを検証します。
![機種変更にまつわるデータ移行のツールは、近年著しく進化しています。写真はGoogleのスマホ「Pixel」シリーズのデータ移行ツール](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/9/1280wm/img_f966632a5eb032b0a44121ec600ca0c4356030.jpg)
iOSは「クイックスタート」でほぼそのまま使用可能
まずはiPhoneについて見ていきましょう。iPhone、iPadといったiOSデバイスについては、iOS 11で新たに搭載された「クイックスタート」機能を使うことで、手軽に新しいデバイスへのデータ移行が行なえます。
利用は至って簡単で、新しいiPhoneの電源をオンにして従来のiPhoneの近くに置くと、「クイックスタート」という画面が表示されます。ここで従来のiPhoneの画面に表示されるパターンをカメラで読み取ると、データをiCloudからダウンロードするか、それともiPhoneから直接転送するかが表示されますので、どちらかを選んで実行するだけです。
![新しいiPhone(左)のセットアップを開始すると「クイックスタート」という画面が表示されます](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/c/1280wm/img_ace052a8fd2625d0426c7963e0678b60221263.jpg)
![指示に従って、従来のiPhoneに表示されるパターンをカメラで読み取ります。ちなみにこの間Bluetoothはオンにしておく必要があります](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/9/1280wm/img_796c61314b8969191336e3e6e56b0cde174571.jpg)
![あとはiCloudからダウンロードするか、従来のiPhoneから直接転送するかを選ぶだけです。急ぎの場合は使いながらデータをダウンロードしてくれるiCloudのほうがスピーディです](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/d/e/1280wm/img_defcd69ce8333413a9ac3a194200dc40154646.jpg)
このクイックスタートでは、インストール済みのアプリはもちろん、アプリ固有データの多くもほぼそのまま移行できます。またAppleウォレットに登録されているカード情報も、指示に従ってセキュリティコードなどを入力すればそのまま使えるなど、再設定の手間はこれ以上ないほど抑えられています。
LINEなどSMS系には注意が必要
一方で、LINEや+メッセージなど、特定の電話番号と紐付けられているSMS系のアプリは、それぞれのアプリごとに定められた手順で移行する必要があり、これを怠ると過去のトーク履歴が見られなくなるなどの問題が発生します。
2023.02.13(月)
文=山口真弘