スマホの機種変更にともなうアプリやデータ、設定の移行は何かと面倒なもの。新規にセットアップするだけならまだしも、アプリやデータを取りこぼしなく移行させる手間を考えると「もうしばらくこのまま使い続けよう」と、機種変更を躊躇してしまう人も少なくないことでしょう。

 もっとも、こうした機種変更に伴うデータ移行は、専用ツールの進化も著しく、ユーザにかかる負担は徐々に少なくなりつつあります。今回は、iOSとAndroidそれぞれについて、最新のツールを用いて、機種変更に伴うデータ移行の手間がどのぐらいかかるのかを検証します。

iOSは「クイックスタート」でほぼそのまま使用可能

 まずはiPhoneについて見ていきましょう。iPhone、iPadといったiOSデバイスについては、iOS 11で新たに搭載された「クイックスタート」機能を使うことで、手軽に新しいデバイスへのデータ移行が行なえます。

 利用は至って簡単で、新しいiPhoneの電源をオンにして従来のiPhoneの近くに置くと、「クイックスタート」という画面が表示されます。ここで従来のiPhoneの画面に表示されるパターンをカメラで読み取ると、データをiCloudからダウンロードするか、それともiPhoneから直接転送するかが表示されますので、どちらかを選んで実行するだけです。

 このクイックスタートでは、インストール済みのアプリはもちろん、アプリ固有データの多くもほぼそのまま移行できます。またAppleウォレットに登録されているカード情報も、指示に従ってセキュリティコードなどを入力すればそのまま使えるなど、再設定の手間はこれ以上ないほど抑えられています。

 

LINEなどSMS系には注意が必要

 一方で、LINEや+メッセージなど、特定の電話番号と紐付けられているSMS系のアプリは、それぞれのアプリごとに定められた手順で移行する必要があり、これを怠ると過去のトーク履歴が見られなくなるなどの問題が発生します。

2023.02.13(月)
文=山口真弘