家族や友人らと飲む機会が増える、年末年始。わいわいとみんなでおいしいものを食べるのも楽しいけれど、自分のためだけにつまみを作ってしっぽりと過ごすのも心地良いもの。

 エッセイストである寿木けいさんの著書『愛しい小酌』から、CREA編集部が実際に作ってみておいしかったつまみと作り方を紹介します。どれも気軽に作れるものばかりなので、ぜひ試してみてください。

塩だけで味がきまる白子焼き

 「売り場で見かけたら買わずにはいられない」という白子に薄力粉をまんべんなくはたき、油をひいたフライパンで表面をカリカリに焼いた一品。まろやかな白子と、カリっとした食感のコントラストがたまりません。塩だけでも十分においしいですが、著書で紹介されている柚子塩をかけても。オレンジワインとの相性が抜群とのこと。

ビールに合わせたいブロッコリーのオイマヨ

 ブロッコリーは小房に分けて、フライパンに重ならないように並べます。蓋をしてくたくたになるまで蒸し焼きに。オイスターソース、マヨネーズ、こしょうでさっと和えたら完成。

 ブロッコリーとマヨネーズの組み合わせは定番ですが、そこにオイスターソースを加えることで旨味が広がります。

おもてなしにも最適! 柚釜卵

 最後の一品は、一人の晩酌にはもちろん、人が来た日のメニューとしても喜ばれる柚釜卵。

 柚子は上の部分を切り落として中身をくりぬいて器にします。そこに温泉卵、クリームチーズを順に入れて湯気の立ったせいろで2分ほど蒸すだけ。仕上げにポン酢(絞った柚子果汁と同量のしょうゆを混ぜ合わせたもの)をかけていただきます。爽やかな柚子の香りと濃厚なクリームチーズが意外なほどに合うんです。

 この他にも『愛しい小酌』には、自分のために作ってあげたくなるレシピが満載。「これ作ってみたい」と思える一品が必ず見つかるはずです。

寿木けい(すずき・けい)

エッセイスト。料理家。編集者として働きながら執筆活動を行う。25年間の東京生活を経て、2022年に山梨に移住。著書に『わたしのごちそう365 レシピとよぶほどのものでもない』(河出書房新社)など。

『愛しい小酌』

寿木けい著
大和書房
定価 1,650円(税込)
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2022.12.29(木)
文=CREA編集部
写真=砺波周平