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 長崎は南蛮貿易、唐人貿易などを通して、古くからポルトガルやオランダをはじめとする諸外国との交流が盛んだった場所です。日本の中でも特異な歴史をもっているからこそ、名所旧跡もほかの地域とは違う魅力を放っています。

 そこで、ぜひ押さえておきたい長崎の歩みも学べるスポットを紹介します。

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見晴らしの良さも人気のグラバー園

 幕末から明治時代にかけての長崎の歴史を物語る場所が、グラバー園です。

 ここは1858年の条約で開港都市となった長崎にやってきた外国人たちの居留地。当時この地に建てられた建物と市内から移築復元した建物、合わせて9棟の洋風建築を見ることができます。

 中でも注目したいのは旧グラバー住宅。この建物は、世界文化遺産の「明治日本の産業革命遺産」を構成するひとつであり、旧オルト住宅、旧リンガー住宅とともに国指定重要文化財でもあります。

 どの建物もその時代の日本に存在していたとは思えないほどオシャレ! 当時の暮らしを想像しながら、細部にわたってじっくり鑑賞してみてください。

 ちなみにグラバー園は南山手の丘にあり、長崎港をはじめとする美しい街並みを一望できる展望スポットとしても人気です。

保存修理工事によって新たに設置された寝室

 グラバー園の見どころのひとつである旧グラバー住宅。この家で暮らしていたのは、スコットランドからやってきた実業家トーマス・グラバーです。世界文化遺産の構成資産、国指定重要文化財に加えて、日本最古の木造洋風建築物でもあるこの住宅。

 和洋折衷のデザインが取り入れられているので、どこが日本風でどこが洋風なのか、意識しながら見ると、よりこの住宅の奥深さを感じることができるはずです。

 2021年11月には約3年間の保存修理工事が終了。寝室が新たに設けられ、当時の建物をより忠実に再現しています。

グラバー園管理事務所

所在地 長崎県長崎市南山手町8番1号
電話番号 095-822-8223
開園時間 8:00~18:00(最終入園受付は17:40)
※閉園時間が延長される時期もあるため、HPもご確認ください。
定休日 無休
https://glover-garden.jp/

2022.12.29(木)
文・写真=石川博也