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美しさが細部にまで宿る洋風の国宝建築

 世界文化遺産の構成資産であり、国内に今も存在する最古の教会堂が大浦天主堂です。

 幕末の開国にともない、日本にやってくる外国人のために造成されたのが長崎居留地。大浦天主堂は、そこで暮らすフランス人のために建設されたのです。

 ゴシック様式の建物は、鮮やかな色使いも相まってため息ものの美しさ。国宝にも指定されています。

長崎の街を見守るかのような白亜のマリア像

 入口の中央に置かれ、高台から長崎の街をやさしく見守っているのが、日本之聖母像と呼ばれる白亜のマリア像です。高さはおよそ1m42cmあります。

 この像、実は「日本に数多くの潜伏キリシタンがいた」という信徒発見のニュースが全世界に伝えられた時に、それを記念し、1865年にフランスから贈られたもの。

 当初は天主堂の門の前に設置されていましたが、その後、天主堂が増改築をした際に、現在の入口正面に移設されました。

 天主堂の中には、所々にはめ込まれた彩り豊かなステンドグラスや、今も12時と18時に音を鳴らす鐘楼、信徒発見のマリア像など見どころが満載。ひとつひとつの造形の美しさにも注目してみてください。

大浦天主堂

所在地 長崎県長崎市南山手町5-3
電話番号 095-823-2628
拝観時間 8:30~17:30(拝観受付・最終入場は 17:00まで)
※冬季(11月1日~2月末日)の時間になります。
定休日 無休
拝観料 一般1,000円
※ 拝観料には「大浦天主堂キリシタン博物館」の入場料を含みます。
https://nagasaki-oura-church.jp/

2022.12.29(木)
文・写真=石川博也