この記事の連載

 最近よく耳にする「大人の発達障害」。自らもADHDの当事者であり、東京大学大学院の心理学博士課程でADHDについて研究しているコッピ―さんが、ADHDの“特性”に悩まされた学生時代から、診断を受けた日までを綴ります。(全2回の1回目。#2を読む)

忘れ物が多い、片付けが苦手……これってADHD?

 近年、発達障害という言葉を耳にする機会が増えてきました。しかし、自身が発達障害であることを周囲に告白する人はまだ少なく、実際のところどういう困りごとがあるのだろう? と思う方も多いかもしれません。

 一般的なイメージとしては、忘れ物が多い、片付けが苦手、やるべきことを先延ばしにしてしまう、コミュニケーションが苦手、こだわりが強い、などが思い浮かぶでしょうか。「人間誰しもそういう側面があるのでは?」と言いたくなるような特徴ですよね。

 大人の発達障害は、発達障害の診断基準に当てはまる特徴が幼少期から見られ、「社会生活に支障をきたしているかどうか」が診断のひとつの大きな基準になります。しかし、何をもって「支障をきたしている」と判断するかも難しいところ。ということで、ひとつの参考になるかもしれない事例として、ADHDである私がどのように診断に至ったかをお伝えします。

2022.12.29(木)
文=コッピ―ちゃん