一般職の女性向けの研修では、すごく自信がなさそうなんです
浜田 いつの時代になっても一定数はいると思います。ただ上野さんがおっしゃるように、男たちがそのゲームに入らないことが増えてくるでしょうね。私がリモートワークのもう一つ良いと思う点は、その「半身」の関わり方ができるということです。会社で部長から監視される中で仕事をする、という働き方にフルコミットしない。
上野 パソコン画面にネクタイ姿の自分を映しておきながら下半身はジャージ着てるみたいな(笑)。
浜田 リモートワークをしていると、みんな、幽霊社員みたいなことをやっててけしからん、って言うわけです。そして出社しろと言い出して、実際に出社するのは男だけですよ。だから出社する男とリモートワークをする女との間に新たな「オンライン格差」が生まれることが考えられて、結局対話時間が長い人の方が出世していく、という構図が残るのが腹立たしい。
上野 ネットワークなんて対面じゃなくてもオンラインでも築けますよ。裏アカとか(笑)。
浜田 「半身」の関わり方で言うと、先日、某財閥系企業の一般職の女性向けの研修の講師をやったところ、直面する問題が総合職とはまた違うんです。
上野 興味津々です。彼女たちになんてアドバイスされたんですか?
浜田 私は、自分が生き抜く術を作ってくださいというお話をしました。人生は長いし、独身の方もいると思うから、今の会社も利用しつつ何で食べていけるのかを考える。例えば、中小企業に移ったとき、一つのことしかできないという人には、その先になかなか転職先もない。でも、せっかく大企業にいるんだから、複数の部署に自分から異動してできることを増やした方が生きやすくなりますよ、と。でもすごく自信がなさそうなんです。
上野 会社が彼女たちの伸びしろをつぶしてきたんだと思います。
浜田 だからその方たちにもチャンスを、と企業にも伝えました。
2022.12.19(月)
文=鳥嶋夏歩
撮影=釜谷洋史