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女性比率の数値目標を掲げるのが逆差別だなんて言わせない

浜田 先日、東工大も女子枠をつくり、東大は女性教員の割合を25パーセントにするという発表しましたよね。もうそうするしかないと思います。

上野 本当にそうです。だから女性比率の数値目標を掲げるのが逆差別だなんて言わせないですよ。

浜田 不平等の解消ですから。日本の管理職比率も30%に上げるには、自然増を待っていたら数十年かかります。

上野 企業でも新卒採用者の女性比率が上がってきていて、年齢が若いほど女性比率が高くなってきています。この人たちが辞めないで続けてくれたらね。

浜田 社会で働き続けてきた女子たちは、驚くほど自己肯定感が低いです。これだけ痛めつけられたらそうなるよ、と思うんですけど、でもそれでも会社のためじゃなくて自分が生きていくために一歩踏み出すとか、チャレンジするということが私は必要だと思っていて、皆さんをエンカレッジしているんです。「あなたたちにはできる」と、と。

 一般職の人でも、その能力が求められる場所はあると思います。特に一人総務部のような中小企業では、総務も人事も経理も1人で担当して、社内を調整をしたり気配りして人を巻き込んでいくことが大事です。いま過小評価されている能力は場所を移せばすごく評価されることがあります。そう一生懸命言っているんですけど、上野さんだったらどう声をかけますか。

上野 私がいつも言うのは、いまは死ぬに死ねない長寿社会だということです。定年になった後も、30年生きなければなりません。勝負は最後につきます。定年してからもあと20年働けますから、いくらでもやり直せる。自己投資をしてもう一度別の人生をつくることもできる、と。

 福沢恵子さんの言葉ですが、「タテ出世」の代わりに「ヨコ出世」する選択肢もある。企業じゃなくても地域やNPOや市民活動、いろんなところであなたたちのスキルを待ち受けている人がいるので、居場所をつくってください、と。

2022.12.19(月)
文=鳥嶋夏歩
撮影=釜谷洋史