90歳にして、Twitterフォロワー数19万人を誇る、大崎博子さん。
趣味は、散歩と太極拳と麻雀。BTSと晩酌をこよなく愛し、都営住宅に一人で暮らす現在のライフスタイルを、「高貴香麗者(こうきこうれいしゃ)」といたずらっぽく呼ぶ。
パソコンを使い始めたのは78歳のとき。ABEMAの麻雀番組『Mリーグ』を視聴するために、自らFire TV Stickを購入し、セッティングもやってのけた。
「本当は機械オンチなの。でも、“やってみよう”という気持ちを大切にしている」
そう言って笑う大崎さんが教える「幸せな老後の一人暮らし」に必要なこと。(全2回の1回目/続きを読む)
◆◆◆
――大崎さんがTwitterを始めたきっかけは、娘さんからの提案だったそうですね。
大崎 そうなんです。娘から「やってみたら」とすすめられて、2011年に始めました。最初はフォロワーが娘を含めた数人しかいないから、面白くもおかしくもなかったんです。
ところが、その矢先に東日本大震災が発生しました。当時、原発事故のことで東京電力に対して不信感を抱いていたんです。戦争体験者の私としては、都合のいい大本営発表のように思えてしまって……そんな不安や苛立ちをツイートしてみたんです。すると、あれよあれよとフォロワーさんが増えていって。
――数人だったフォロワーが、瞬く間に数百人、数千人に増えていったと。戸惑いみたいなものは?
大崎 もう怖かったんです。MacでTwitterをしていたものですから、通知が来たら音が出る設定にしていた。だから、音が鳴りっぱなし。音を消す方法もわからないから、何が起こっているのかわからなくて「怖い」という感覚でした。
「怖い」という趣旨のツイートをしたところ、フォロワーさんから、「通知機能だから大丈夫ですよ」と教えてもらって、ポジティブなこととして受け止められるようになりました。
2022.12.10(土)
文=我妻弘崇