コロナ禍での制約があった頃、人々は互いとの距離を十分にとれる屋外での楽しみを求めた。
英国では、すでにコロナ禍の法的規制は全面解除されているが、国内のカントリーサイドの人気は健在だ。
コロナ禍をはさんで、英国内の旅行者は、「自然に囲まれた可愛い村」よりも「リアルな自然」を求めるようになった。それは環境保護に対する支持の表明でもあり、同じ熱量での取り組みがホテルの側にも求められているのだ。
今イギリスでおすすめのカントリーサイドホテルを4回に渡りご紹介。
食からサステイナブルまで普段着なのに最高に上質なステイ
◆Calcot and Spa(カルコット・アンド・スパ)
![コッツウォルズならではのハチミツ色のライムストーン造り。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/2/1280wm/img_f2dfada804aaeca8fbc4a4810dad5e72269263.jpg)
ミシュランスター・シェフの手による食事が楽しめるイングリッシュ・パブ、アクティビティ満載の託児所、屋内・屋外プールも完備のスパ……創業38年の歴史をもつカルコット・アンド・スパには、リピートしたくなる魅力がたくさんある。
同様に自然保護に向けた取り組みもまた、ゲストが楽しめるものに昇華されているのは、このホテルらしいホスピタリティだろう。
![生態系を保護するリワイルディング・エリアには、ゲストが自由に歩ける散歩道が設置されている。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/b/1280wm/img_abde1b640de5d53a343d409daa97b1ff298330.jpg)
過去10年以上にわたって97ヘクタールの土地を再野生化し、ここに約4キロにわたる散策路を設置。「リワイルディング・エリア」としてゲストに開放している。
![雨の日用の長靴の貸し出しもあり。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/f/1280wm/img_7f5bc69220ca3895c2c6fc346cce4e02327392.jpg)
宿泊客には無料のレンタサイクルもあり、自転車で走り抜けるもよし、のんびりと散歩するもよし、思い思いの方法で自然を満喫することができる。
再野生化といっても、ただ放置しているわけではなく、ホテル専属の庭師が注意深く自然環境を管理し、さらに各種生物をモニターする専門家が毎月訪れ、野草や昆虫、鳥類、小動物などの種類と数を記録。
![肩肘張らないレストランは地元民からも人気。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/3/1280wm/img_b3c9aaf77efd4abc7eb487fc902f7482190708.jpg)
10年前に行われた約2万本の大がかりな植樹の効果もあってか、ゆっくりと時間をかけて、これまで絶滅の危機にあった鳥の数が増えてきていることもわかっている。
![レセプション棟。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/7/1280wm/img_97b47ff4b407733cc9a3f35b1140a594244602.jpg)
ゲスト向けには、ここに生息する主な生物の一覧が掲載された小さなハンドブックが、各客室に用意されており、これを片手にネイチャー・ウォッチングをするのも楽しい。
![今年オープンした“バーンズリー・コテージ”は、家族連れに最適(1泊朝食付き 749ポンド~)。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/d/8/1280wm/img_d84fea83ae06cb3ec2cf19f57c1f8e4f162937.jpg)
この先の5年間で、敷地内のほぼすべての建物が、グリーンエネルギーに置き換わる計画もすでに進行中という、SDGsにおいても一歩先を行く老舗ホテルだ。
![“バーンズリー・コテージ”は、2階建て2寝室で、キッチンも完備。屋外の専用のテラスには薪ストーブがあり、寒い時期でも、食事やドリンクが楽しめる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/2/1280wm/img_b22c602e21bea538c33372895bdbba49447469.jpg)
Calcot and Spa(カルコット・アンド・スパ)
所在地 Near Tetbury, Gloucestershire GL8 8YJ
電話番号 +44 1666 890391
客室数 34室
料金 1泊 324ポンド~
https://www.calcot.co/
![](https://crea.ismcdn.jp/common/images/blank.gif)
Column
CREA Traveller
文藝春秋が発行するラグジュアリートラベルマガジン「CREA Traveller」の公式サイト。国内外の憧れのデスティネーションの魅力と、ハイクオリティな旅の情報をお届けします。
2022.12.10(土)
文=安田和代(KRess Europe)
撮影=川上 真
CREA Traveller 2022 vol.4
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。