コロナ禍での制約があった頃、人々は互いとの距離を十分にとれる屋外での楽しみを求めた。
英国では、すでにコロナ禍の法的規制は全面解除されているが、国内のカントリーサイドの人気は健在だ。
コロナ禍をはさんで、英国内の旅行者は、「自然に囲まれた可愛い村」よりも「リアルな自然」を求めるようになった。それは環境保護に対する支持の表明でもあり、同じ熱量での取り組みがホテルの側にも求められているのだ。
今イギリスでおすすめのカントリーサイドホテルを4回に渡りご紹介。
人の温かさが感じられるパーソナルタッチのおもてなし
◆Wildhive Callow Hall(ワイルドハイヴ・カロウ・ホール)
![草原の向こうに沈む夕日を見ながら、のんびり過ごせるスポット。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/b/2/1280wm/img_b20482fcc56efc16bcf3bb7cfed85763160376.jpg)
ロンドンから北に約240キロ、ダービシャーのピーク・ディストリクト国立公園周辺は、英国では珍しい岩山が連なるユニークな自然に恵まれているにもかかわらず、観光業の手がまだ伸びていない「知られざる英国」。
![多目的に使える個室にはワイルドハイヴの風景を描いた壁紙が。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/d/1280wm/img_ed2b9bb92b9e7ee45374f37f969afed8167679.jpg)
そんな立地に、2021年9月にオープンしたホテルが、ワイルドハイヴ・カロウ・ホールだ。
![石造りのメインハウス。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/3/1280wm/img_83772ed77dec633818b8013e088c2be3263531.jpg)
14.2ヘクタールの敷地内には、1850年代に地元の行政官の私邸として建てられたメインハウス、そして森に囲まれた11棟のバンガローと2棟のツリーハウスが宿泊棟として用意されている。
![インテリアの大胆な色使いは、オリジナルの暖炉に配されたタイルなどからインスピレーションを得たもの。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/2/1280wm/img_82a4aa468b1b2a0c9e2de72a6bfd0261190643.jpg)
全棟のインテリアは、ロンドンの人気デザイン・ホテル・チェーンで手腕を振るってきたデザイナー、イザベラ・ウォーズリー氏が担当。
![“ラブリールーム”と名付けられた客室(1泊 259ポンド~)。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/5/1280wm/img_c51c35e9f0b65bc9ce74de1625cdf5dd167129.jpg)
ナチュラルモチーフをふんだんに配しながら、どこか大胆でモダンな印象を与える色使いが美しい。
このホテルではまた、人間味に溢れたホスピタリティでゲストを歓迎してくれる。
![ツリーハウスへの送迎は電動バギーで。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/6/1280wm/img_1647c7a143539b87255437f7d07d6cd9209198.jpg)
屋敷のポーチに足を踏み入れるや、「ようこそ、旅は順調でしたか」とポーターが声をかけてくれる。
廊下の冷蔵庫に水を補充する女性スタッフは「ここから、自由にとってくださいね」と「ハロー」だけではない対話が生まれる。
![“ツリーハウス”はキッチン、露天風呂付き。家族4人で宿泊できる(1泊 629ポンド~)。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/3/a/1280wm/img_3a59f99bddda68d894941e356674404f191773.jpg)
「この業界で接客の作法が完璧な人は多いですが、それだけではロボット的。人事採用は、パーソナリティ重視です」とGMのジェレミー・ウィットワース氏。
![ガラス張りのレストランは、地元の人々からも愛されている。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/e/1280wm/img_0ea6e9ec8e35ed9eb2cde7bc3b461466173946.jpg)
非接触型のサービスが定番となった今だからこそ、人の体温が感じられるサービスが、ことさらに贅沢で貴重なものに感じられるのかもしれない。
![敷地内でとれたハチミツでパンケーキを。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/8/1280wm/img_18dc2253355d0285cf95f8709a6b44c0179024.jpg)
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Wildhive Callow Hall(ワイルドハイヴ・カロウ・ホール)
所在地 Mappleton, Ashbourne, Derbyshire DE6 2AA
電話番号 +44 1335 300900
客室数 28室
料金 1室 219ポンド~
https://www.wildhive.uk/
![](https://crea.ismcdn.jp/common/images/blank.gif)
Column
CREA Traveller
文藝春秋が発行するラグジュアリートラベルマガジン「CREA Traveller」の公式サイト。国内外の憧れのデスティネーションの魅力と、ハイクオリティな旅の情報をお届けします。
2022.12.12(月)
文=安田和代(KRess Europe)
撮影=川上 真
CREA Traveller 2022 vol.4
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。