この記事の連載
伝統と前衛を共存させた美しいデザイン「アルズィユ×アルズ・カプロル」
「アルズィユ×アルズ・カプロル」は、「ポストオフィス・ファッション・ギャレリア」の道路側の1階にある。衣料品と、スカーフ、バッグなどのファッション小物を扱っているショップだ。
イスタンブール旧市街で生まれたアルズ・カプロルさんは、1996年にトルコで前衛的デザイナーに贈られる賞を受賞したことから注目され、その2年後にブランドを立ち上げた。2007年に最初のショップをオープンさせ、2011年にはパリでショーを開催し、パリオフィスも構えた。
彼女のショーはデジタル技術を使っていることでも知られる。プロジェクションマッピングやホログラムなどのデジタルパフォーマンスとコラボするなど、かなり前衛的で大がかりなプロジェクトとなることも。
また、ボーダフォン・トルコなどとコラボしてウェアラブル技術を使って、気候の変化に対応するジャケットをデザインしたり、WWFトルコとコラボして、絶滅危惧種の持続可能性に注目を集めるコレクションも発表したり。服の建築と称するアルズ・カプロルさんは、トルコのファッションシーンを、ファッションの枠にとらわれずにリードし続けている。
ガラタポートの新しいショップは、こぢんまりとしたサイズながら、「アルズィユ」らしさにあふれている。デザインも製作もすべてイスタンブールで行っている。トルコの中央アナトリアをルーツとする生地を使ったり、アンカラのアナトリア美術館からインスピレーションを得たり。民族調になりすぎず、現代的な服にうまく取り入れている。
なかでも、アルズ・カプロルさんご自身が身にまとって説明してくださったのがシルクのロングカーディガン。極薄の生地で、身体の動きに呼応して揺れるラインが美しい。
ガラタポートのショップでは購入できないが、アルズ・カプロルさんは、ウエディングドレスもデザインしている。クラシックなデザインとはひと味違う個性的なドレスと、それに合わせる独創的なヘッドドレスが人気だ。
Arzyu × Arzu Kaprol(アルズィユ×アルズ・カプロル)
所在地 Kılıçali Paşa Mahallesi, Meclis-i Mebusan Caddesi, No: 8, İç Kapı No:102, 34433, Beyoğlu, İstanbul
電話番号 0212-236-89-65(本社)
https://arzukaprol.com/
2022.11.21(月)
文・写真=たかせ藍沙