「食べ物で遊ぶな」と言われたことも
――揚げ物をハンガーに吊るしたこともありました。
レミ 揚げ物は大体紙の上に置かれがちだけど、たまには吊るしてあげたら、彼らも気分が変わるかなと思って。でもあれは、理にかなってるんですよ! 油で揚げたあとすぐ洗濯バサミで吊るすと、下に油がまんべんなく落ちますから。
――フリースタイルなレシピと見た目のシュールさが、Twitterでも大きな話題に。トレンドワードに「消毒済みのハンガー」と入るほどでした。
レミ 私がテレビに出るとなると、また何かやらかすんじゃないかって、みんな心配で心配で仕方ないらしいんです。でも、私は自分がいいと思ったことをやってるだけ。自分ができることは、なんでもやります。できないことは最初からやらない。できて、ちょっと楽しそうだなと思ったら、サービス、サービス。
――レミさんは、自分流がブレませんよね。昔、トマトを手でつぶしたら番組に抗議がきたとのことでしたが、今はもう、そういった声は来ないのでしょうか。
レミ よく「食べ物で遊ぶな」とは言われますね。遊んでないってば! 遊んでるどころじゃない、全部食べるんだから。
例えばサンマも、身を食べた後、残った骨と頭やしっぽは、全部カリカリにしてフードプロセッサーで粉にする。そこにゴマを加えてふりかけにして、全部食べます。
「何が起こったっていいじゃない、全部いいのよ」
――放送では、料理中焦がしたり、フライパンの蓋が閉まらなくなったりなど、一見失敗なのかな?と思うような事態があっても、気にせずに進んでいきます。「ヤバい」と思ったことは、あるのでしょうか。
レミ ヤバいと思ったこと……ないですね。生放送だと、何が起こるかわからないのが楽しくて、力が入ります。何が起こったっていいじゃない、全部いいのよ。どうせ食べられるんだから。何でも大きな気持ちでやって、気にしない。
――何があっても「失敗」と思わないというのは、大事なことかもしれません。
レミ 食べた時に美味しいと思えたら、何でもいいですから。そこが守れるのであれば、楽しく面白く、おかしくやれたらいいなと思っているんです。
写真=山元茂樹/文藝春秋
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2022.11.23(水)
文=吉河 未布