――新刊のレシピ本では、何も「立った」ものがないなと思って、探してしまいました。あれはテレビだからこその演出という側面も?
レミ そうね、「テレビではより面白く」というのは考えますね。
マネージャー でも、今はネットの時代だから話題にされるだけで、豪快なのは昔から変わっていないんです。過去のレシピ本でも、ロールキャベツのようなものをいっぱい重ねて一つの大きなドームを作っていたり……。
――もしかするとレミさん、元祖「映え」だったのかもしれませんね。
マネージャー そうですね(笑)。ネットがない頃から、相当、映えてました。
まさかの放送事故!? ブロッコリーが倒れた
――そんなレミさんのお料理がテレビで紹介される度に、「カオス」「生きる放送事故」などと言われるように。
レミ 放送事故なんか、やっているつもりは全然ないんです。発端はブロッコリーでしょ? NHK『あさイチ』で、ブロッコリーを小房に分けて茹でる以外のレシピで何かできませんかっていうから、「そんなの簡単、まるごと立たせればいい」と思って、「まるごとブロッコリーのたらこソース」というレシピを考えました。
まず、ブロッコリーにバターを乗せてチンします。そこにホワイトソースに明太子を混ぜたピンクのソースをかけて完成……と思ったら、倒れちゃった。それが、さんざん「放送事故」と言われてしまったみたいです。
――リハーサルはあったんでしょうか。まさか一発本番?
マネージャー NHKなので、事前にレシピ通りできるかどうかの確認はしています。でも生放送なので、ハプニングが(笑)。
レミ いいの、いいの。立っているものは絶対に倒れますから。
――名言ですね。でもあの時レミさんは、倒れたブロッコリーをお箸でもう一度立たせようとしていました。元々「倒れるかも」とは思わなかったのでしょうか?
レミ 倒れるはずじゃなかったんです! 実は、どうして倒れたかっていうと、本番でチンしすぎて、芯が思った以上にやわらかくなってしまっていたんですよね(笑)。
2022.11.23(水)
文=吉河 未布