大病院で悪性リンパ腫の疑いと診断されたことが転機だった
大学生のあるとき、突然高熱が出てずっと下がらなくなってしまったんです。あちこちで診てもらっても、ちっともよくならないし、原因もわからない。行き着いた大きい病院で、悪性リンパ腫の疑いがあると診断され、もしそうなら余命半年だと言われました。
その後の確定診断で、感染症の一種と診断され、ようやく光明が差したんですけど、精神的にはもう以前の自分には戻れませんでした。悪性リンパ腫で余命短いと言い渡されたときの、虚しさと恐怖が頭にこびりついて離れなく成ってしまったんですよ。
そのときから、明日死んだとしても後悔ないよう生きたいという強い思いが、自分の芯のところに芽生えて育っていった。以来、日々巻き起こる出来事には、ほとんど動じなくなったんですよね。
人はいつか死ぬのだから、いろんな人と笑顔で生きていければそれだけで充分に幸せ。世事の浮き沈みなんて、まあいつも前向きに捉えて、乗り越えていけばいいだけじゃないかという考えが、すっかり心に住み着いてしまいました。
「学歴がない」「地方から動けない」「泥臭い」第一次産業が持たれがちなイメージを変革する美人社長…狙うは新たな“家族経営”≪ドラマ「ファーストペンギン!」モデル・原作者≫ へ続く
2022.10.12(水)
文=山内宏泰